テーマ:ミステリはお好き?(1430)
カテゴリ:本
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~ネタバレありです~ 白幽霊・ 帰り道、ふと見上げたお屋敷内でカーテンを切りとる人影を見た新人社員。 それは殺人事件の犯人の陰だった? 香月の"柵"(妻であり、今鏡グループの後継者・夕顔の友人の姉が容疑者の一人となっていた)で名家戸梶家で起こった当主殺人事件の依頼を木更津にする。 彼は香月との付き合い("柵")で依頼を受けてくれる。 現当主の息子(飛行機事故で死亡)と反対を押し切って結婚した依頼者・美智子は成り上がりの実業家の娘で、戸梶家で孤立。 彼女の息子に家を継がせぬ為、当主は勘当した息子を呼び寄せていた。 その最中に起こった殺人事件。犯人は誰だ? 最後のピースが埋まらない木更津に事件が二日越しになるのを嫌がった香月がさりげなく提案した「一同を一箇所に集める」が功を奏し、一気に事件解決となる。 禁区・ 御殿通りに出る白幽霊は半年前に失踪した友人・坊津夏苗ではないかと思い立った女子高生・牧園知耶子。 彼女に付き合わされた樋脇薫香、薫香の彼氏・笠沙隼人、同じ文芸部の市来隆次、後輩・溝辺真紀は夜に現場検証に向かう。 そこで白幽霊(夏苗ではなかった)を見た一堂。真紀は霊感少女になってしまう。 また、部室で不審な動きをした後、知耶子の死体が発見される。白幽霊の呪いなのか? 薫香の父親は京都駱駝銀行の副頭取で、木更津の父親とは旧くから懇意な間柄に加え、 木更津の父が経営する「木更津興信所」のメインバンクでもある。 そんな"柵"がらみの依頼を木更津が断ることも出来ず、事件解明に乗り出す。 「ピブルの会」で依頼を知った香月は当然の如く同行。 「探偵として一人の少女を救うだけ」という木更津をカッコいいと思う香月であった。 交換殺人・ 妻との喧嘩後、酔った勢いで交換殺人の約束をしてしまい、自分は手を下してないのに相手方の狙った(依頼した)人物が殺されてしまった。 軽い気持ちだったが、交換殺人が実行され、妻が殺されてはかなわないと、 湯舟啓一(敬一)を殺害した犯人探しを会社員・平山勝が木更津に依頼。 原稿が息詰まり、気分転換に同行する香月。 ワトソン役らしく"一応"尋ねてみたり、合いの手を入れたりする。 勝手に郵便受けを覗いたりして真相にはいち早く気付いているが、木更津に直接伝えはしない。 そんな行為を木更津にして欲しくはないし、なるべくなら自ら気付いて欲しいとも思っている。 だが、締め切り前に事件解決して欲しいとさりげなくヒントを与える。 (木更津はたわいのない雑談の中から"自分で"真相に気付いたと思っているのだった) 香月は木更津の探偵としての佇まい、解決の時の披露の仕方を楽しみにしているらしい。 今回の締めの言葉には不満が残ったようだ。 時間外返却・ 山林で見えたという女の幽霊の正体を確かめに行ったオカルト好きの若者が見つけたのは女の死体。 その死体・橘鈴子の父・影夫が事件解決を依頼。 鈴子は一年ほど前に失踪していたらしい。 いつもなら断るような内容だったが、失踪時に協力しなかったことを気にしている("柵"の一つでもある)辻村警部を思いやり、依頼を受ける。 一年程前、時間外返却されたレンタルビデオには鈴子の血痕がついていたらしい。 返却したのは本人か、犯人なのか? 犯人と遭遇したのか父・影夫も殺される。 何故? 探偵になれない香月のちょっとした悪戯がある。 それは、先に犯人に気付いてないと出来ない悪戯なのだが、最後の最後、木更津はそれに気付く。 (気付いた木更津は「僕もまるっきり無能ではない」というが、彼は香月の能力には気付いているのだろうか?偶然だと思ってるのかもしれないが…) 改めて、自分は探偵には向いてない(木更津のような自制心をもてない)と思う香月なのであった。 どこか名探偵を小馬鹿にしたような香月の語り口が面白い。 いや、本人はいたって真面目に木更津を尊敬している…振りをしているのか、何処まで本気なのか… 麻耶作品にしては珍しく? 全編に白幽霊の影あり、"柵"で繋がって(?)いる。 ああ、でも、一向に白幽霊の正体が明かされず、はぐらかされっぱなしなところは”らしい”のかなぁ。 主人公が木更津&香月だとこうなる(はちゃめちゃにならない)のかな? 続編に続きそうな振りで終わっているのだが、白幽霊が解明される話はあるのだろうか? 登場人物の多くがG☆MENSのアルバムを聴いているが、なぜだろう? このバンド、他のシリーズ中にも名前があがっていた気がするのだが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 7, 2006 02:45:53 PM
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