日々のあぶく？

「いい年した大人が活字でベタ甘ラブロマ好きで何が悪い！」
「怪獣にベタな青春だの恋愛だの混ぜるのは息をするのも一緒」
と豪語する作者によるラブストーリーと言えばもう、こうなりますな。
(今回怪獣と言うか不思議な物体は出てこないけれど、それらが出てくる話の番外編アリ)
陸・海・空の自衛隊×恋愛
”男前”の女性が可愛い話が多い。

・クジラの彼
Sweet　Blue　Ageにも入っている「海の底」の番外編。
ちょうど「海の底」の事件直後くらいにラストを持ってきているので
何も知らずに短編としても楽しめるけれど、元ネタを知ってから読むとまた違った深み（？）あり。

"クジラも潜水艦も潜る"
それにしても有川氏は熱血漢と冷徹さを持つ優男のコンビ好きだよな。
(夏木と冬原、堂上と小牧とか。熱血は女の子になったりもするけど、冷徹さを持つ優男の出没は必須かも？)

・ロールアウト
航空自衛隊の次世代輸送機を請け負ったK重工の絵里。
担当の高科三尉は男子便所を通路に使うわ、輸送機のトイレを個室にと主張し譲らない。
反発する絵里だったが、確かに自分も使えないトイレを納品することに揺れ動く。

たかがトイレ、されどトイレ。
予算、節約と最低限の使い勝手のすり合わせは本当に大変なんだろうなぁ。

・国防レンアイ
生意気で居丈高なくせにめちゃくちゃ可愛い三池。
二度と自衛隊員とは恋愛しないと決めた彼女を8年間も想いつつも腐れ縁な同期・伸下との恋はどうなる？

・有能な彼女
これも「海の底」の番外編。
2度目の"はじめまして"の後の夏木と望。
有能な防衛庁の技官となった望は5つ年下。
口が悪くてすぐ彼女の地雷を踏んでしまうくせに、肝心なことは言い出せない夏木。
冬原(と聡子の存在)、望の弟・翔もちらりと出演。

・脱柵エレジー
恋人に会いたい(懇願された)ばかりに脱柵未遂を起こした配属されたばかりの新人。
自分の経験談を話して諭す清田和哉二曹。
清田も連行した吉川夕子三曹も脱柵経験者(吉川は未遂)だった。

「本当に好きだったら（脱柵なんてさせずに）止める」
若さあふるる話。

・ファイターパイロットの君
「空の中」の番外編。
一人娘の茜に「ファーストキスの場所」を尋ねられ、思い出すのは初デートの日。
初めて基地外で光稀と会ったあの日―
相変わらず立ち回りの上手さで彼女をリードする高巳。
どんどん距離を縮める二人の姿と、現在、光稀が訓練時間を減らすことを躊躇わずに生んだ娘のことなどが描かれる。

女性が飛び続ける大変さ。
光稀はほとんど単身赴任状態で娘を育てるのは高巳。
二人は理解しあってるが、高巳の両親は働く光稀を認めてないようだ。
何もかもが上手くいくわけではないが、二人の絆の深さを見せ付けられる話でもある。