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November 14, 2007
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月の扉」で活躍した"座間味くん"(偽名)が主人公の短編集。

ハイジャック事件を担当した警視庁・特殊犯罪担当の大迫警視が、偶然、座間味くんと再会。
それ以後、最近あった事件(テロ、過激派などが起こした事件)を肴に酒を飲み交わすことに。

「月の扉」を読んでなくても楽しめるが、読んでいればラストは事件のその後なので、より楽しめるハズだったのに…
概要は覚えているが、結末などすっかり忘れている自分に失望。
それにしても、座間味くんはずっと偽名のままなのか?

―ネタバレあり―

・貧者の軍隊
新宿の書店で偶然再会した大迫軽視と座間味くん、一緒に食事をすることに。
現代の仕置人とも言われた過激派「貧者の軍隊」のメンバーが事故死。
事故のお陰で彼らの足取りを掴んだ警察だったが、その矢先、別のメンバーが自殺?

自分の地位を守るため、警察の手が廻っても自分に害が及ばぬよう、主要メンバーを事故と自殺に見せかけて殺したのかもしれない。

・心臓と左手
座間味くんは子供が産まれてからダイビングにも、沖縄にも行けてないらしい。
待ち合わせはいつも新宿の大型書店。
難病を治すという新興宗教の教祖が死に、彼の死体(心臓と左手)が信者(幹部)によって切りとられていた。
そして、切りとった幹部達は殺し合い、死亡していた。

幹部らは「自分が死んだら、自分の心臓を食べろ。その者が後継者になれる」との教祖の遺言から、心臓を巡って殺しあった。
後継者争いに興味がない幹部は左手(生体認証のため)を手に入れ、教祖の隠し財産を手に入れた。
座間味くんは独自の推理を披露するが、警察が結論を下した事件の結論を覆す気はなく、
「こういう考え方も出来ますよ」と言いつつ、「今更波風立てなくても」と大迫を引き止める。

・罠の名前
過激派組織「PW」の武闘派メンバーが、穏健派の弁護士を殺害。
踏み込んできたSATから逃れようとした犯人も部屋から落下して死亡。

穏健派の弁護士の娘と犯人が恋仲であっただろうこと、
犯人は恋人(娘)を自分側に引き込もうと父親(弁護士)の周りに罠を張り巡らし、
近づいたら彼が死ぬようにセッティングしていたが、彼女が警察に通報するとは予想外で逃げそびれ、転落死。

・水際で防ぐ
外来種の危険性を訴える環境保護団体「固有種を守る会」のメンバーが死亡。

保護活動をしながらも、資金調達のため、不法入国者の密入国を手伝っていた?
もしくは、密入国者を助けていた?
だが、メンバーの一人が資金調達のため、外来種のカブトムシを育てていたため、殺された?

・地下のビール工場
貿易会社の社長が自家製ビール醸造キットを不正輸出しようとしていた。
社長は社員が交通事故死した件で国を恨んでいたともいわれ、
キットを生物兵器を作る国に売ろうとしているとの密告があった。
だが、事件が明るみになる前に、社長は死んだ。
犯人は密告した社員で、社長と付き合っていた女性。
社長を殺してしまった女性は自殺。

社長は自分で生物兵器を作るつもりだったのでは?
実現していたら、事件に当った警察が周囲に生物兵器を撒き散らしていたと座間味くん。

・沖縄心中
米軍の広報担当者と恋人で通訳をしていた女性が心中。
彼は基地反対運動者たちと交流いたが、異動直前に暴力事件を起こし、それを悲観して死を決意、
暴力事件の発端となった彼女も一緒に心中したと警察は見ていた。

基地反対者たちと癒着していた彼が異動となり、自分とも別れるだろうと彼女が心中を誘導していたのでは?

・再会
ハイジャック事件から11年。人質となった時、赤ん坊だった聖子は事件の記憶はない。
だが、事件以来豹変してしまったらしい父親を嫌っていた。
従姉の真由美は、人質でただ一人立ち向かった男がいたため、他の人質達が敗北感を味わったと怒りを感じていた。

沖縄空港で再会した聖子と座間味くん(と大迫警視)。
父親は事件でではなく、その後、おそらく航空会社を脅迫(慰謝料請求)し、その過程で敗北感を味わったと座間味くんは推理。
聖子は同じくハイジャック事件に巻き込まれた杉原麻里が出資している"沖縄孝月学園"(理事長・比嘉)の受験を決意。





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Last updated  November 14, 2007 11:27:57 PM
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