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June 6, 2009
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あさのあつこは現代物でも、からっとしたスポーツものに見せかけて闇を潜ませたり、
学生ものでも闇を描くことが多いが、
時代物であるこのシリーズにその「闇」、浮かび上がるような「夜」が一番似合っている。
やっとしっくりきた感じがする。

*弥勒の月

小間物問屋「遠野屋」の若おかみ・おりんの溺死体が見つかった。
心に虚空を抱え、切れ者ゆえに苛立ち、世の中を斜めに見、
バッサリ言葉と態度で人を切る若き同心・木暮信次郎と
彼に仕える岡っ引きの親分・伊佐治は、妻の亡骸を前にした遠野屋主人・清之介の立居振舞に違和感を覚える。
妻の死を調べなおすように懇願する清之介だったが、
彼の過去に踏み込もうとする信次郎に反発する。
事件の周辺で起こった病死、殺人などが全て遠野屋清之介につながるとき、見えた景色とは―

藩内で一二を争う名門であり、藩政の中枢で用心と言う役職以上の力を手にしていた父・宮原忠左衛門忠邦に暗殺者として育てられた周防清弥。
父の命で手を血で染めていたが、腹違いの兄・主馬暗殺を命じられ自害を決意。
だが、兄弟もろとも抹殺しようとした父を殺害し、
兄に「生き直せ」と送り出されて江戸に来、おりんと出会い遠野屋に婿入りし清之介となっていた。

彼の父が使っていた暗殺部隊が清弥に部隊を束ねてほしいと
医者・源庵として遠野屋周辺に近づき、彼の妻を死に導き、
殺したいとの思いに狂った信次郎と親交のあった臨時廻り同心・吉田敬之助をあやつり、
様々な事件の裏で糸を引いていた。
源庵と対峙した清之介を止めたのは信次郎。
清之介は妻や義父の残した言葉を胸に商人として生きることを改めて決意。

清之介は妻おりんが「(自分にとって)弥勒のようだった」と表現。


*夜叉桜

江戸の町で女郎が次々と殺されていく。
若き同心・信次郎は、被害者の一人が挿していた簪が、元暗殺者の小間物問屋主人・清之介の店
「遠野屋」で売られていたことを知り、清之介に絡む。

過去を消し、平凡に、普通の商人として生きようとする清之介は時として喜怒哀楽を表に出すように。
全てを見通すような信次郎に時に驚かされながらも、非常時には頼りになると思ってしまう清之介。
清之介を商人として扱ってみたり、闇の住人は闇でしか生きられないとバッサリ切り捨てたりしながらも
彼に会うと絡まずにはいられず、平凡を、退屈を憎む信次郎。
以前は不信感も強かったが、それぞれに魅力を感じ、時には父親目線でたしなめる岡っ引きの伊佐治。
この三人の関係性の変化も魅力か。

今回は遠野屋で働き、清之介を慕う信三の再会した幼馴染・おいとが鍵。
自ら女郎となっていたおいとは実は商家・黒田屋の火事で失踪した娘だった。
黒田屋の養子となったものの、実母が女郎上がりだったため、虐げられていた由助は
女郎だった実母への恨みもあいまっておいと殺害を女が怖いと言う浪人・伊織に依頼。
伊織はカモフラージュも含めて次々に女郎を殺害するが、自分を追ってきた元武家の妻・菊乃に
殺害される。菊乃はその後自害。
遠野屋と新たな商いを模索していた由助は、信次郎によってお縄に。

菊乃の娘(赤児)は信次郎の言葉を受けた菊乃が遠野屋に預けていた。
おりんの死のショックから自殺未遂をし、
信次郎と清之介によって一命を取り留めていたおりんの母・おしの(一時惚けていたが、少しずつ回復中)が
おりんと清之介の子供だと信じていること、
清之介自身が人を育てられるか、育ててみたいと思ったことから
遠野屋の娘・おこま(駒代)として引き取ることに。

一方、父の後を継いだ清弥(清之介)の兄・主馬が、清らかなだけでは藩内を正せないと
暗殺者として清弥の力を求め、江戸で再会する。
清之介は商人として生きる、生き直すと兄の命を断るが、兄は諦めない様子。

表題は(妻を殺された恨みから)桜の下で夜叉の面をつけて舞う夢を見たことがあるという
清之介の言葉から。





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Last updated  June 6, 2009 06:03:03 PM
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