カテゴリ:刑事事件・裁判員制度について
いま、ジャン・グリシャムの「無実」を読んでいる。 私は主にアメリカの冤罪に焦点を絞った「誤判をうまない裁判員制度への課題」 という本を執筆したのだが、その本のなかでアメリカでどんなに無実の人が死刑を 宣告され、冤罪の被害者になっていくのか、について克明にルポをした。 で、最近私の本を読んでくださった方がグリシャムの「無実」について よく話をされているので、読んでみた。 これは、アメリカを震撼させた死刑冤罪事件に関するノンフィクション。 さすが弁護士だったグリシャム、とてもリアル。 グリシャムのなかには、 結構甘いテーストのサクセス・ストーリーが多いなあ、という印象をときどき 持ってしまうのですが(私の大好きな「評決のとき」も少しスウィート)、 まったく幻想でない、リアルなアメリカの司法と死刑囚の待遇が書かれていて 説得力がある。しかし、このケース最後は救済されているが、 それが氷山の一角であることも確か。 読みながら、私の担当する死刑囚、いま最高裁にかかっている奥西死刑囚のことを 思う。司法は彼を救済するか、の判断のときであるから。 来年から裁判員制度が始まり、市民が裁判に参加するにあたって、 「無実」はとてもお勧めの一冊です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.05.13 12:11:41
[刑事事件・裁判員制度について] カテゴリの最新記事
|
|