|
カテゴリ:カテゴリ未分類
キックボクシングの道場で、フリーウエイトのトレーニングをやっている。
自分1人でフリーウエイトをやると、1セットで10回の回数をこなすのがやっとだ。 しかし、塾長(ジムの指導者)と一緒にやると、同じ重さでのフリーウエイトを13回やらされる。 プラスの3回は、塾長がバーベルを少し支えてくれる。 10回で限界が来ているので、残りの3回は、塾長のサポートがあるといえども、腕も大胸筋もパンパンで、力がほとんど残っていないように思える。 しかし、『力がほとんど残っていない』ということはイコール、『まだあと少し力が残っている』ということだと塾長は言う。 そして、限界を感じた後にまだ回数をこなすことで、爆発的に筋力はアップするのだと言う。 塾長の話を聞きながら、マラソンの高橋尚子選手のことを思い出した。 シドニー五輪で金メダルをとったQちゃんは、それまで彼女を育ててくれた小出監督の元を離れて自らチームQを立ち上げたが、チームQとして活動してからは成績が伸び悩み、やがて引退へと追い込まれていった。 QちゃんがチームQで結果を出せなかった原因として、『限界を超えられなかったこと』が原因であると小出監督が語っていたのを、何かで耳にしたことがある。 小出監督と一緒にやっていた頃は、監督がQちゃんの練習メニューをすべてコントロールしていた。 長年の指導経験から、Qちゃんの限界値を知り尽くしていて、彼女の現状の限界を少し超える練習メニューを考えていたそうだ。 しかし、QちゃんがチームQとして小出監督の元から独立してからは、彼女自身が全ての練習メニューを考えなければいけない。 自分1人では、限界を上手くコントロールできなかったことが、Qちゃんが衰退していった要因の1つであるという。 限界の一歩先。 筋トレでもマラソンでも勉強でも同様に、自分で限界と思えたところから、もうひと踏ん張りすることで、爆発的に成長していく。 キックボクシング道場の塾長が言うように、「もう限界だ。ほとんど力が残っていない」と思っても、もう一歩前へ進む力は、案外残っているものである。 1日何時間も勉強して、「もうこれ以上は勉強できない」と自分で限界を感じた後のもう30分。 1日に何ページも数学の問題を解いて、「これ以上数学をやったら頭が割れてしまう」と思った後のもう1問。 難しい問題を解いていて、「これ以上難しいレベルの問題は解けない」と思った次のレベル。 そういった、自分で感じる限界の一歩先にこそ、現状を打破できる鍵がある。 心が限界だと感じたとしても、実は人間はそんなに弱くはできていない。 人の体は、人の心よりも、ずっと強い。 心が体に負けているうちは、思うように伸びていかない。 心が体に勝ったときに初めて、ぐんと伸びていくのだと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Dec 16, 2009 11:32:57 PM
|