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カテゴリ:【物語】幸福のひと:遺品(番外編)
【番外編】幸福のひと:遺品5 ~戸惑い~ この国の祭典では、昔からのしきたりで、人々は一定期間仮面をつけることになっています。 仮面をつけたまま男女が共に、音楽に合わせて踊ります。 「もちろん私は反対しました」 お互いがわからなければ、はぐれた時にどうするのかというマリーに姫君はにっこり笑います。 『あら、それがおもしろいんじゃない』 まごつくマリーに仮面を渡し、自分もさっさと仮面をつけて、足早に人ごみの中へと歩いていきます。 慌てて自分も仮面をつけて、姫君を追いかけました。 たくさんの人々と町の中を溢れんばかりに響く音楽、笑い声や人の話し声の中で自分が迷子になってしまいそうでした。 「案の定、すぐにはぐれてしまって」 祭りは三日三晩続きます。この間、王宮内の人々も祭典、儀式とあらゆることに気を配るため、王宮内のことは手薄になります。 マリーと姫君のことに気がつく者もなく、もちろん姫君もこの時を狙ってお忍びにでたのでありました。 姫君とはぐれて青くなったマリーは、口の固い者に事情を話し、町の中を探し回りました。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.08.29 09:41:55
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