今日は、モーツァルト245回の命日でもあり、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲KV297bを聴くことにしました。
所持していたLPレコードでは、A面にKV364、B面にKV297bとなっていましたので、疑いもしませんでしたが、かなり昔から贋作の疑いが流布していた様です。
音楽学者碩学のアインシュタインは「K.297b」と言う番号を与えて作品目録の「本編」に組み入れ、真作とした。
しかし、全ての楽章が同じ変ホ長調で書かれていると言う疑問点があり、筆写譜や伝記的状況、クラリネットなどの用法を詳細に検討した結果、偽作の可能性が非常に強いとの判断を下し、「疑作、偽作」を示す「Anh.C14.01」と言う番号を与えた。
この作品をモーツァルト真作と見る研究者もいるが決定的な証拠が欠けているため、散逸したフルート、オーボエ、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲の自筆稿の発見でもない限り、真偽の決定が困難な状況である。
「しかし作品の由来はなお曖昧であるとは言え、我々が所有している版の真憑性に対して早まった疑問を投げかけることは、間違っていないだろうか。なぜなら、作品のどの部分にもモーツァルトの手が明瞭に認められるからである」
それでも、モーツァルト音楽を楽しく聴くことが出来ますので、その第3楽章を聴いて見て下さい、主題と10の変奏曲形式で、10の変奏は独奏者の技巧を引き出すべく、様々な音型や楽器の組み合わせで巧妙に書かれています。
W.A. Mozart: Symphony Concertante KV297b (3rd mvt.) for Oboe, Clarinet, Horn, Bassoon and Orchestra
しかし、50年以上も作品の真憑性を知らなかったとは迂闊なことですが・・