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August 9, 2004
テーマ：デリシャスなおすすめ！(813)
カテゴリ：お取り寄せおいしいもの
琉球王国に豚が伝わったのは、14世紀の終わり頃。今の中国・当時の明から。
これが、文献でさかのぼれる最古の記録です。 近年、弥生時代後期の貝塚からも豚の骨が発見されました。 2000年前から、琉球人は豚を食べていたんですね。 豚肉食文化が開花したのは、琉球王朝時代。 首里王府から「牛馬食禁止令」が出て以来、 琉球人に豚を食べる習慣が定着しました。 アグーは、品種としては黒豚に位置づけられます。 見て、このお顔。「祖先はイノシシでーす」っていうのがよくわかるよね(^^) 先日紹介した「中ヨークシャ種(古代豚)」よりさらに小さくて、 成豚でも体長1m・体高50cm・体重100kg程度です。  アグーが、貝塚から出た骨の子孫なのか、明から伝来した豚の子孫なのか、 詳しいことはわかっていません。 中国や台湾との交易がさかんだった琉球王朝時代のことを考えると、 アグーの原種となったのは、大陸経由の複数種かもしれません。 ともかく粗食に耐えて、丈夫なアグーは、その育てやすさから特別な 品種改良が行なわれることもなく、王朝時代から第２次世界大戦まで、 琉球の豚肉食文化の中心に位置していました。 （バークシャ種との交配で明治期に現在のバクーが完成したとも） ◆･･･◆･･･◆ 第２次世界大戦末期、日本での唯一の地上戦となった沖縄。 住民の５人に１人が、戦闘に巻き込まれて殺されました。 その数は、約10万人。沖縄戦で戦死した日本兵の数と同じです。 そして、アグーも同じ運命をたどります。極端な食料不足から 繁殖力を無視して食用にされ、戦闘中に殺され、沖縄戦を 生き残った2000頭ほども、豚コレラに冒され･･･。 ●沖縄戦を生き延びた人が、体験を元に描いた絵があります。 この絵に描かれた出来事は、59年前の日本で起きた現実です。 沖縄戦の絵－打ち砕かれしうるま島 http://w1.nirai.ne.jp/ken/uruma.htm どこの団体が集めたものかは、そんなに気にしないでね(^^; ●沖縄戦について、ちょっと知りたい？ http://www.pref.okinawa.jp/kodomo/heiwa/e_1.html 沖縄県庁のキッズ向けページです。わかりやすい記述で簡略です。 第２次世界大戦終結後、ハワイの日本人会から、沖縄に白豚が 贈られました。ハワイには、沖縄出身者が多いのです。 豚肉をたっぷり食べる食文化の定着している沖縄には、最高の 贈り物でした。成長が早く多産系で肉も多い白豚や、アグーに 味が似ていて大きいバークシャ種（外来種の黒豚）が、戦後の 沖縄養豚の主流になるまで、時間はかかりませんでした。 そして、アグーは沖縄の豚小屋から姿を消していきました。 ◆･･･◆･･･◆ アグーに再び関心を持つ人が現われたのは、1981年のことでした。 名護博物館開設準備をしていた島袋正敏さんが、民俗資料として 在来家畜の調査をしていたときのことです。 確認されたアグーの数は、わずか18頭。そのうち7頭を譲り受けて、 本格的なアグー復活作戦が始まりました。 でも、旨いとはいっても取れる肉が少なく、生育にも手間のかかる 儲からない豚です。養豚家さんたちは、しりごみします。 結局、アグーは北部農林高校の熱意ある先生が引き取り、学校で 授業の一環としての繁殖が試みられることになりました。 そして、沖縄県の畜産試験場でも･･･。 残っていたアグーは、みな血縁の近いものばかり。近親交配の 影響で、奇形や異常が多く出ました。このままでは、アグーは 全滅です。そこで、他の豚と交配して血を薄くし、再びアグー と交配する「戻し交配」を行ないました。 戻し交配によって在来種アグーに限りなく近い黒豚が蘇ったのは、 交配8代目、1995年のことでした。 2003年のデータですが、この復活アグーは121頭まで増えました。 そして、アグーを種豚とした交配種の商品化も、着々と進んでいます。 ◆･･･◆･･･◆ アグーの肉は、白豚と比較するとコレステロール値1/4、旨味成分が ２倍。脂は和牛に匹敵するほど上質で融点が低いそうです。 脂も含めてあっさりした味わいで、いくらでも食べられる、そんな豚。 ジューシーで軽やか、脂まであっさりおいしいこの豚は、 豚肉を大量に食べる琉球食文化にぴったりだったのでしょう。 肉の成分からも、長寿食の香りがしてきませんか？ 本物のアグーが食卓に上るまでは、まだまだ時間がかかりそうですが、 アグーを種豚として黒豚と交配した豚は、流通に乗るようになりました。 また、ほんの少量ですが、本物のアグーをお取り寄せできる店もあります。
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須坂市長の三木正夫です。@
