カテゴリ:映画・演劇・音楽・写真
本日大層な賞を得た滝田洋二郎監督に関して知っていることは「コミック雑誌なんかいらない」、「連続暴姦」或いは、故 相米慎二監督が生前準備していた「壬生義士伝」くらいのものであり、知っているつもりで、実はよくわからない監督だったのだが、未見ながら「おくりびと」のアカデミー賞外国語映画部門を受賞したことは心から嬉しい。
この映画を二度観た細君からレクチャーを受けて、主演男優の温めていたテーマであることなど諸々知ったのだが、映画は監督のものという持論から思うに、低予算、短時間の撮影で面白いものを銀幕に映し出す鍛錬をピンク映画の頃に重ねた監督は、映画と云うものに広く根を伸ばし、太い幹を蓄えたからこその快挙と信じている。 ピンク、ポルノと書けば眉を顰めるむきも多かろうが、その現場は映画人を鍛えただろう。 フィルムが足りないだの、主演女優が逃げただの、警察が来たり、警察から隠れたり。 面白いものを撮ろうと腐心した映画人の芯の太さが、ひっそりと死者をおくる慎ましく、恭しく、敬意を表す一瞬を映画と云う型に嵌めて魅せたのだろう。 今活躍している映画人に、眉を顰めるむきが多い現場からたたき上がったスタッフが多いことに、妙な誇りを感じる宵なり。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.02.23 20:35:24
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