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カテゴリ:政治・行政
安倍・自民党政権は、なんとも味の悪い経済政策を進めようとしている。本日(8日付け)の日本経済新聞は1面と経済面で、政府が緊急経済対策として官民ファンド(基金)を相次いで設立し、それを成長戦略の柱に据える方針だと報じている。
<海外進出を支援するファンド、不動産の耐震化を促すファンド……。緊急経済対策では、新たな「官民ファンド(基金)」を創設する構想が並ぶ。資金の出し手は政府系金融機関など様々。……万一官民ファンドが支援した事業が失敗した場合でも民間金融機関の融資は公的資金の出資金より優先して返済を受けられ、融資の焦げ付きを避けられる可能性がある。公的資金がより高いリスクを担うことで民間が投融資に積極的になるよう背中を押す狙いがある> 要するに、民間がリスクをとらず、事業に失敗しても税金で補填するということだ。 何度も書いたが、成熟した先進国の日本で、途上国の未熟な企業を育てるような政策が必要なのか。 これは成長戦略ではない。実用品が行き渡った成熟経済社会で官が前に出て、うまく行くはずがない。役人に商品も商売もわかるわけがないのだ。 先進国では民間企業が新しい需要をにらみながら自分のリスクで事業を進めるのが基本だ。失敗例も多いが、そうした中でベンチャースピリットに富んだ経営者が新事業を創造、雇用を創出し、経済が成長する。 「大きな政府」より「小さな政府」であるべきなのだ。 政府支援型では甘えが生じ、失敗例がふえ、財政悪化を広げるだけだ。先進国では不要な政府系金融機関を肥大化させ、役人の甘下り先を蔓延させ、競争経済では生き残れないゾンビ企業を温存してしまう。そして財政破綻の影が忍び寄る。 安倍政権の狙いはとにかく夏まで短期的に有効と思われる景気浮揚策、人気取り政策を進め、夏の参院選を勝利するということなのだろう。 衆参両院で過半数をとって足元を固め、そこから憲法改正や国防軍構想、教育改革などを実現させる。後者の考えに異存はないが、それにしても筋の悪い経済政策であることは否めない。やるべきことは行政改革と規制緩和による自由市場経済の拡大、それによる経済成長なのだ。 政治家や役人は行革と規制緩和によって「小さな政府」政策を進め、経済の世界からできるだけ遠ざかることが望ましい。そうした政策を進めてもも、いや進めるからこそ、有権者のサイレントマジョリティはその政権を支持するはずである。 土建行政型の古い体質の自民党に戻ってしまうのは、真っ平だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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