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鎌倉橋残日録  ~井本省吾のOB記者日誌~

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2013.03.13
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カテゴリ:政治・経済
 今日(13日付け)の日本経済新聞1面アタマの記事を読みましたか? 政府のひどい政策が載っています。
 
 <政府・自民党は12日、消費増税の際に大手スーパーなどによる「消費税還元セール」を禁止することを決めた。商品を納める中小企業に対し、スーパー側が増税分の値上げを認めないといった事態が起きないようにするためだ。……今通常国会に「増税還元セール」の禁止特別措置法を提出する>

  記事は「安売りの宣伝禁止には小売業界から反発が出ている」とも書いている。当然だろう。本来、日本は民間企業の営業活動の自由を尊ぶ自由市場経済の国である。自由民主党の看板が泣くというものだ。

  消費税導入に際し、有力な小売業は低コスト経営によって店頭価格を維持し、客離れを防ごうとする。いや、価格維持の販売戦略には、値上げを余儀なくされるライバル小売業から顧客を奪う狙いも込められている。

然り、消費税引き上げは販売競争を激化させる。体力不足の小売業だけでない。商品力の弱いメーカーや、情報物流システムの整っていない問屋は有力小売業との取引が減る。

有力小売業は納入企業に消費税引き上げ分の値下げを求める可能性も強く、そのしわ寄せで業績悪化に追い込まれる。消費税引き上げは流通再編、寡占化を促進する効果があるのだ。実際、過去の消費税引き上げ時にもそうした事例が少なくなかった。

 体力の乏しいメーカー、卸、小売業はそれをいやがり、自民党に泣きつく。自民党は7月の参院選をにらみ票田確保のため、「増税還元セール」の禁止に動いたという構図だ。

 財務省も消費税引き上げを通すためなら結構と賛同。消費税引き上げが通りやすいように、本体価格と税を分ける外税方式の価格表示も認めるという。ただし、外税方式は2017年3月までの時限措置だという。消費者に消費税引き上げへの抵抗感が薄れる頃合を待って、外税方式を廃止し、内税方式(総額表示)一本にしようというハラだ。

 アベノミクスの3本の矢のうち最も重要なのは経済成長戦略のはずである。小売業が商品調達、物流、店舗運営などの様々な分野でコスト削減を進め、消費税引き上げ分を値上げせず、店頭価格を維持するのは正当な経営戦略だ。そうした工夫と努力が政府の規制緩和、行政改革とあいまって生産性の向上と産業構造の転換を進め、経済を成長させる。
 
自由競争に耐えられない企業が淘汰されるのは当然で、産業の新陳代謝を促して、新たな事業を創出するバネにもなる。特措法で、そうした自由な活動を縛るのは規制緩和の精神に逆行する。

 「商取引で立場の弱い中小の納入企業が取引確保のために増税分を上乗せできない事態になれば、こうした企業に増税のしわ寄せが及ぶ」というが、強いメーカーなら、技術革新や生産体制の工夫でコストを削減できる。それができない劣弱なゾンビ企業を保護する政策は、経済成長の足かせになって財政を悪化させるだけである。

 記事によると、政府・自民党が保護するのは中小企業だけはなく、大手メーカーも含むすべての企業が対象というから、あきれる。

<大手メーカーであっても大手スーパーなどとの価格交渉では弱い立場にあると判断した>

腐っても鯛という。大手企業なら政治家や役人に泣きつくなんて無様なマネをせず、自力で取引先の要求を跳ね返すだけの商品力を持て、と言いたい。

 外税方式、内税方式についても、どっちにしようと、それも企業の営業活動の自由なはずである。増税しやすいことだけを考えて長期的に内税をめざす財務省のやり方はその自由を奪っている。

 重ねて言えば、日本は自由市場経済の国であるはずだ。その基本方針に逆行する動きについては、企業は反対ののろしを上げるべきである。日本チェーンストア協会などは、その先頭に立つべきだ。





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Last updated  2013.03.13 15:52:37
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