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鎌倉橋残日録  ~井本省吾のOB記者日誌~

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2013.07.10
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カテゴリ:政治・行政
 今回の参院選でどの党も避けているのが、財政再建は可能なのかという問題だ。各党とも具体的な道筋を示していない。

それどころか、選挙の受けを狙って「消費増税すると景気が悪くなる」などと増税の先送りを求める政党が多い。みんなの党や生活の党は増税の凍結を公約に掲げており、社民党、共産党は消費増税に反対だ。
 
 消費増税は自公民の3党合意で増税を決めたが、安倍晋三首相も最終的な増税判断の明言は避け、秋に結論を出す考えだ。そこには増税するかどうかをあいまいにしたままのほうが、選挙で戦いやすいという判断がうかがえる。
 
しかし、消費増税を2014年4月に8%、2015年10月に10%と予定通り実施しても、国際公約として掲げてきた財政健全化目標の達成は厳しいという状況だ。
 

政府は15年度までに国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の赤字の名目国内総生産(GDP)比を10年度から半減し、20年度までに黒字にする目標を掲げ、国際公約にもしている。国際公約に違反すれば、日本への信頼度が薄れ、株価下落、国債価格の下落を招く危険が高まる。
 
内閣府の試算では15年度にPBの赤字を名目GDP比で半減するには10%への消費増税に加えて、14、15年度に少なくとも5兆円の税収増か歳出削減が必要になる。税収増だけで対応する場合は、名目経済成長率を3%近くまで伸ばさなければならない。今の成長戦略でそれは可能なのか。

 さらに、財政を本格的に改善するには長期的に消費税を25%ぐらいまで上げなければならないと計算する財政学者が少なくない。

 それを回避するには毎年数%の物価上昇と平均して年率3~4%ほどの実質成長率が必要だとも言われる。そんなことが可能なのか。

 日銀の黒田総裁は2%のインフレ目標を設定し、大量に長期国債を購入しているが、長期金利は0.9%前後にまで上昇している。機関投資家が国債のリスクを恐れて逃避すると、国債が暴落してハイパーインフレが起こる危険性がある。

 むろん、今すぐにそんな事態が来るわけではない。そう見越して、みんな、「消費増税はやめた方がいい」「物価2%まで金融緩和を実施せよ」と勝手なことを言っているように思える。

 だけど、本当に大丈夫だろうか。と、やはり国民は、どこかで不気味に感じている。

 ここまで言うと、巨大な事故や恐慌、戦争など、めったに起こらないことへの対処は皆同じとも言える。例えば、福島で顕在化した原発事故も「原発安全神話」のもとで起こった。

 すると、今度はその反動で、原発ゼロ、再稼動反対の議論が起こる。輸入燃料費の増大→ホルムズ海峡封鎖による高騰、原油の入手難という事態に対しての準備を忘れてしまう。

 「原発ゼロ」は最善の安全策のはずだが、燃料費の入手難という最悪の政策に転化する危険があるのだ。結局、バランスを考えた対処がつねに求められるということだ。そう考えると、多少の消費の冷え込み→景気悪化はあったとしても、当面の消費増税のシナリオは進めざるをえないだろう。

 同時に、各分野の抗勢力の圧力を撥ね退け、行政改革、規制緩和を断行して成長戦略を推進しなければならない。英国のサッチャー首相がやったように。





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Last updated  2013.07.11 01:20:44
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