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カテゴリ:政治・行政
本日(11日付け)の日本経済新聞「官民ファンド 看板倒れ」を読むと、案の定ひどいものだ。「政府の緊急対策、実績乏しく」「法整備後回し、資金塩漬け」とソデ見出しにあるように、非効率、ずさん極まる。
<安倍晋三政権は今年初めにまとめた緊急経済対策にあわせて、立て続けに官民ファンド(基金)の創設を決めた。ベンチャー育成、インフラ整備、日本文化を売り込む「クールジャパン」と、経済再生に絡めた看板は様々だ。ただ基金の大半はまだ機能していない> 国立大学向けの出資事業「官民イノベーションプログラム」は、インフラ、エネルギー、再生医療といった分野で国立大が民間企業と一緒に出資して「新産業を育成する」はずだった。なんと2012年度補正予算で東京、京都、大阪、東北の4国立大に計1千億円も出資した。ところが、国立大学法人法で、国立大によるベンチャー支援ファンドへの出資を原則禁じているため、出資金は塩漬け状態。 予算だけつけて法整備を後回し、なのだ。 他の官民ファンドも実績はほとんど上がっていない。経済産業省や国土交通省は今秋の設立に向け「準備中」。 稼働している官民ファンドも民間ファンドを圧迫しているだけという。公的資金を受け入れ、経営破綻した半導体大手のエルピーダメモリの例もある。日本のような先進国ではリスクマネーは本来民間が出すべきなのに、官が不慣れなリスクマネーを供給すれば、失敗して国民負担が生じる恐れ十分なのだ。 これを意識して、首相官邸は、5月に民業圧迫がないかどうかを調べる「官民ファンド総括アドバイザリー委員会」を設置。6月にまとめた政府の成長戦略には「(官民ファンドは)必要最小限」「意義があるものに限定」「民間に適切に引き渡す」という「公的支援の指針」が盛り込まれた。 官民ファンドの林立は税金の無駄遣い、天下りなど官の肥大化を助長するだけ。日本が成熟国家となった20年数年前からそう言われていたのに、「今さらなんだ!」と言いたい。 公共投資を増加させる国土強靭化計画はじめ、古い自民党政策、古いバラマキ行政に戻ったような感がある。安倍首相の勉強不足ではないのか。 昨日、財政再建が危ぶまれていると書いたが、こんな行政の肥大化、非効率を見ると、不安はいっそう募る。参院選は自民党が勝つかも知れない。しかし、その後、財政が大幅に悪化するようでは元も子もない。 安倍首相よ、参院選勝利の後は、思い切った行政改革、規制緩和に踏み切ってほしい。昨日も書いたように、英国のサッチャー改革を見習って。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.07.11 17:35:30
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