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miRNA・エクソソームとがんの進行・転移・診断 miRNAはメッセンジャーRNAからのタンパク合成を調節することにより、様々な細胞の正常な成長を支える一方で、疾患の発生や進行においても重要な役割を果たしています。 特にがん細胞の作るエクソソームは、miRNAを含む情報伝達物質を周囲の細胞に届け、血管の新生を誘導するなど、がん細胞の生存や成長に有利な環境を作っていることが知られています。がん細胞はエクソソームにより、自身から離れたところに微小環境を整備し、がんの転移を促進することも示されています。 さらに、がん細胞はmiRNAによるタンパク質発現制御を介して、細胞表面に免疫系を抑制する分子をまとい、免疫細胞からの攻撃を逃れていることが報告されています。 こうしたがん細胞における機能性や特異性を逆手にとって、miRNAやエクソソームをがん治療薬として、あるいはバイオマーカーとして診断に用いる研究開発が精力的に進められています。 miRNA・エクソソームを利用した創薬 特定のタンパク質の合成を調節できることから、miRNA・エクソソームはがんに限らず様々な疾患治療や健康増進、あるいは美容等の目的で利用できる可能性があります。 現在は研究用途として、培養した細胞からmiRNA・エクソソームを分離・精製するケースが多いのですが、実用化において求められる大量・安定供給や低コスト化ならびに機能性向上のため、miRNAを含む機能性分子を人工的に合成する技術や、薬物の送達システム(Drug Delivery System: DDS)としての人工小胞合成技術開発も進められています。 miRNA・エクソソームに関しては、今後、機能のメカニズム解析やデータベース充実化、分析技術が向上するとともに、各種疾患や生理状態の診断用途、続いて疾患治療や個別化医療など生体の制御に展開されていくことが期待されます。 幹細胞培養上清液とは 人の体内には50兆個の細胞が存在していると言われており日々新陳代謝を繰り返しています。この失われた細胞を補う能力をもつ細胞を「幹細胞」と呼びます。 人由来幹細胞培養上清液とは、人の間葉系幹細胞(主に歯髄・脂肪・骨髄・臍帯)と呼ばれる幹細胞を培養し、その培養液から幹細胞を取り出したうえ滅菌及び各種処理などを施した上澄み液(上清液)のことを指します。 上清液への期待 |