熊本の方言で『わさもん』というのがある。新しもの好きという意味で使われている。
いつもの通勤バス、車内に「バス運転体験試乗会参加者募集」の広告が掲げられていた。
一度はバスを運転してみたいという思いが込み上げ、バス会社へ電話をした。
「あのぉー、バス運転体験試乗会という広告を見たのですが、参加できますか」
「もう、満杯なのですが、どうにかして自動車学校側にお願いして増やしてもらおうと
思っているのですが」
「よろしくお願いします」
と、名前と住所を言い始めようとしたところ、
「失礼ですが、お幾つですか」
「はい、○○歳です」
と、応えると、
「申し訳ございません45歳以下の方に限らせてもらっています。実はバスの運転
試乗会の趣旨はバスの運転手募集につながっておりまして・・・・」
と、断られてしまった。
「それは残念です。でも了解いたしました」
と、電話を切った。
こうして私の、バス運転体験試乗会に参加してみたいという『わさもん』は
果たされなかった。
できれば広告には、そういう趣旨があることを1行でもいいから書いて欲しかった。
空気を読めなかった私の『わさもん』はまだまだである。そちらの方を責めるべきかも
知れない。