こてつふぁ～む

カンナんちのアロエはとっても不思議な旅をして我が家に来た。

はじめ、この子達はコテツの実家にいた。
太陽をサンサンと浴び植え替えもされず大鉢一杯に根を広げちっちゃな尖った葉をツンツンとさせていた。
ドコでもあるアロエ達だったし、裏には大きな畑。
しかも家庭菜園。
自転車で５分の所にはみかん山という実家の内情。
そんな中、アロエ達はポツンとそこにいた。

ただ時々出番はあった。
夏の陽射しで焼けた肌を鎮めてくれたし、ヤケドでは必ず出動o(*^▽^*)o~♪

でもひそやかな存在であるには違いなかった。


ある夏の日、カンナの妹が実家に来た。
田舎の風情はカンナ妹にとって原風景。
佇まいにとっても和んでいた。

庭先のアロエに気がつくと「いいねぇ」としきりだった。

義母は「持ってってよ。」とデカ鉢を奨めたが丁重に断りちっちゃな鉢を１つ持って帰ることになった。

その鉢はそれからカンナ妹の住む福岡へ。。。
ちっちゃかったはっぱも、毎日みずやったり声かけたり、
台風や大雪の日にはお風呂場にあげてとかわいがってもらい大きくなっていく


幾年後、株分けの為、今度は宮崎にやってきた。
最後に見た時より随分デカくなり鉢にはギューって音が聞こえそうな圧迫感があった。


なにより虫嫌いのカンナ妹はまぁカンナに頼んだのはそんな時だった。


新しい鹿沼石と腐葉土を沢山含んだ土を真新しい鉢に入れ古い根を優しく切った一番大きな株を植えた。
摘心したのはその後だったがなんとか植え替えは終了した。
そうして、大きな株は福岡へ戻っていった。。。


そして、脇芽や子株が残った。

どうしたもんかと想いながら全部元の鉢に植えた。
土だけ新しくして。。。

そのアロエ達が今二株蕾をつけた。
薄っすらオレンジが見えてとってもカワイイ。

ワタシは悩んだ。
カワイイ花を見てみたい。
でも、株への負担を考慮し芽を欠いた。

近所のおばさんは不思議顔だったけど、カンナはこの不思議な旅をしたアロエ達に長生きしてもらいたい。
カンナより永くこの世にいれる植物なんだもん。
大切に丁重にバランスよくそこに生きてて欲しい。

霜よけもしないカンナんちの軒下でワタシのアロエ達は大きく成長してゆく。
夏の暑い時期の潅水だってうっかりカンナは時々だ。

でもアロエ達は元気に生きている。
時々、実家でもそうだったように日焼け後のローション変わりに、ヤケドの傷口にと。。。

そうやって生きてる。
密やかに生きている。
ささやかに、今を生きている。

■アロエいろいろ■