テーマ:今日の出来事(288491)
カテゴリ:一般民事事件
シティズ(アイフルの子会社)という商工ローン会社に対する
最高裁の判決が出ました。 何回かこのブログやメルマガでも書いていますが、 現在利息に関して主に2つの法律があります。 一つは利息制限法、もう一つは出資法です。 例えば50万円を借りた場合、利息制限法上の最高利率は18%、 出資法では、29.2%です。 利息制限法に違反しても、罰則がないのですが、 出資法に違反すると罰則(懲役5年、罰則1000万円以下)があるので、 テレビでよく見るような会社でも、利息制限法を超えるけれども、 出資法は超えない利率で貸付をしている所が多いのです。 このよく分からない範囲の利率はグレーゾーンと呼ばれています。 このグレーゾーンの利息を合法的に?受け取るためには、 貸金業規制法43条(みなし弁済規定といいます) で定められている厳格な手続きを取らなくてはいけません。 その内の一つに、必要な事項を記載した領収書を、 お金の受け渡しの度に発行することというのがあります。 今回の判決では、その領収書に記載する事項は契約者番号で足りるとした 内閣府令(貸金業規制法施行規則のこと)が 法の委任を超えて違法であると判断しました。 乱暴な言い方をすると、法律でキッパリ決まっていることを、 規則で勝手に緩くするなということですね。 また、お金を返す人が任意に支払うことが必要なのですが、 期限の利益喪失約款 (契約どおりに払えなければ一括返済してもらいますよという約束) でもって利息制限法を超える金利の支払いを強いることは 任意性がないという判断をし、 さらに利息制限法上の金利の支払いをしている限りは 期限の利益を喪失しないとしました。 これにより貸金業規制法43条(みなし弁済)が成立する余地は ほとんどなくなったということになると思います。 利息制限法を超える利息は基本的には無効という非常にキッパリした判決で、 今後の業務も非常にやりやすくなったと思います。 最高裁のHPにも早速判決の全文が掲載されていますね。 興味のある方は読んでみてください。→読んでみる お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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