「ミュージカルのような授業」 ~マンガ家矢口高雄さんの体験より
ミュージカルのような映画「アナと雪の女王」が評判です。僕も見に行きましたが、よかったです。 さて、ところで今日は映画のことではありません。戦後間もなくのころ、田舎の中学校でおこなわれた「ミュージカルのような授業」について書きます。これは、マンガ家の矢口高雄さんが、自著の中で書かれているもの。ご自身の子どものころの体験がもとになっています。授業者は中学校の「小泉先生」。矢口高雄さんの担任の先生でした。『ボクの学校は山と川 [ 矢口高雄 ]』 (文庫、700円)矢口高雄『ボクの学校は山と川』p36では、次のように書かれています。============================== ・とにかく歌う ・当時の流行歌がバンバン飛び出す ・踊りまくる ・演技をする ・セリフが即興でポンポン飛び出し、 それにアクションが加わって一人芝居をする ・1時間の授業が、まるで一編のミュージカル==============================こんな授業、受けてみたいなーと思いました。そして、自分でも挑戦してみたいな、とも。先生だけでなく、子どもたちと一緒にミュージカルのような授業を作り上げるのも素敵ですね。 僕は音楽が好きなので、実はひそかに「音楽」の授業をしたいなーとか思っているのですが、国語や算数などの授業でも音楽を取り入れないか、とも思っています。道徳の授業では流行歌を取り入れる道徳の授業もあるようです。▼『J―POPで創る中学道徳授業』(柴田 克,2014(現在予約受付中))僕もやってみたいです。(^^) さて、『ボクの学校は山と川』は矢口さんの子どものころの体験を綴ったエッセイですが、発刊後、非常に評判を呼び、中学校の教科書にその中のいくつかが採用されたそうです。マンガでは中学生時代を扱った自伝的マンガ『蛍雪時代 ボクの中学生時代』もかなり重複した内容を扱っています。この本は大変おすすめです。小泉先生の授業だけでなく、当時のパワフルな、エネルギッシュな生徒の様子が紙面狭しと描かれています。物がなかった時代、しかも雪深い山の中で、画期的なアイデアを次々と形にしていく中学生たちの姿が爽快です。地域の図書館に置いてある場合もあるようです。兵庫県小野市の図書館には置いてありました。僕はそこで第1巻を読んだら、ハマってしまい、最終巻までネットで古本を買い続け、しまいにはすでに図書館で読んだ第1巻も買いました。藤子不二雄の『まんが道』もそうでしたが、戦後間もなくの時代に夢を持って生きる子どもの姿をマンガで読むことは、閉塞感漂う現代、子どもだけでなく大人にとっても、心の特効薬になります。