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テーマ:着物(543)
カテゴリ:氣づき
日本人のアイデンティティを体現するものの一つとしてあげられるのが、着物です。
昔の日本人にとって着物が普段着でした。 着物は、洋服と較べると、不便なところがあります。 帯で身体を締め付けるため、身体を捻ったり、大股であるくことはできません。 そのため、着物用の立ち振舞い、身のこなし方をしなくてはなりません。 しかし、こうした身体の自由を縛る帯があったため、日本独特の身体感覚が生まれたのです。 つまり、臍下丹田を意識した独特の身体文化、あるいは明治大学教授・齋藤孝先生の言う「腰肚(こしはら)文化」です。 「腰をすえる」や「肚を決める」は、文化によって身につけられる身体感覚のことです。 着物は腰肚を決めるのに最適です。 帯によって、かつての日本人が腰と肚に対する身体の意識を強くもっていたのです。 腰や肚は精神的なことも含んでいますが、その基盤には腰や肚の身体感覚が実際にあります。 腰と肚の身体感覚が強調されることにより、からだの「中心感覚」が明確にされるのです。 実際に着物を着てみると、中心軸が決まり、身体のバランスが安定し、「幹の感覚」がでてきます。 腹筋や背筋に余分な力がかからないため、腰痛予防にもなります。 実際にひどい腰痛持ちの人が、着物を普段着るようになって、腰痛を治した人というのは多くいるのです。 さらに、精神的な意味合いとして、帯によって、自然と臍下丹田に意識を持っていくことができます。 臍下丹田に意識が集中すると、心が落ち着いたり、度胸がついたり、勘が鋭くなると言われています。 また、心の波もしずまることで、冷静な決断力、判断力を養えることができると言われています。 日本の武道や芸道、すなわち茶道や能、弓道や剣道にしても、臍下丹田・腰肚の重要性を強調する点で共通しています。 私が習っている合氣道でも、動くときは臍下の一点(丹田の中心)からと教わっています。 これにより、パワーやスピードを必要とせず、軽やかな動きで、かつ相手に不快感を与えずに投げることができるのです。 着物に憧れていた私は、ようやく念願叶って着物生活ができるようになりました。 (といっても、もちろん平日帰宅してからとか、土日のみですが) 着物を着ると、やはり自分は日本人だと実感します。 着物は日本人のアイデンティティを取り戻す、素晴らしいアイテムでもあると思うのです。 日本人ならやはり着物! もっと多くの方が、着物を普段に着るようになってほしいですね♪ ---------------------------- 男向け着物のお勧めの本 銀座もとじの男のきもの 男、はじめて和服を着る お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.07.30 16:47:20
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