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レジャー施設での動向調査をかれこれ10年やっている。かっこつけないで言えば尾行のようなもので、どういうルートで回って、どの店に入って、何時間くらい滞在したのか?などなど、調べていく。とても地味な業務である。だから、心中では「オレは探偵物語の工藤ちゃんなんだ…」と言い聞かせながら頑張る。
今年の夏も、 様々なところでやってみたが、改めて10年前と比べると、とても大きく変わったことがある。それは、ファミリーで来場したお客さんが、二手に別れて行動する頻度が高くなったこと。最も、10年前もそうしたファミリーはいたが、その数が多くなった。 家族一緒に来場して、少し一緒に遊ぶ。 しばらくすると、お父さんとお兄ちゃん、お母さんと妹のペアに別れて遊んでいるシーンが目についた。そういうことが重なるとメンバーも「最近の家族は、絆が薄いから…」「両親の不仲率が上がっているのかなぁ…」などと、無責任はことをつぶやいていた。 しかし、 改めて良く見ていくと、原因は「ケータイ」であった。これは年の功である者にしかわからなかった。10年前は、ケータイを持っている人は稀だった。ケータイがないと、はぐれたら再会するのが大変だから、よほどしっかり「12:00にここで待っててね」などの約束をかわさないと、うかうか別行動ができなかった。ところが、現代は、約束自体も結構ゆるめで、「夕方になったら連絡するから…」で、自由に別れる。それで、きちんと再会する。 その傾向は、 インフォメーションセンターにいるとさらに良くわかる。かつてのテーマパークや博覧会では、「迷子センター」や「呼び出し」「捜索」という業務が溢れんばかりで、多忙を極めた。ところが、近年では、メッキリ減った。ケータイで連絡が取れるからである。 ところが、 施設によっては、昔、博覧会でならした先生が設計していたりするから、卓球場ができるほどの広く豪華な迷子センターになっていたりする。当然、迷子センターまでもが閑古鳥状態で、プチ不良債権と化す。 考えてみると、 ケータイの普及で、施設の運営やサービスは相当変わったし、これからもどんどん変えて行かなければならない。 ただし、 ケータイは便利と言えば便利だが、せっかく家族で来ているのに、「いつでも連絡が取れるから」ということで、家族が別行動…というのには、少し寂しいものを感じる。せっかくの休日、親子で目一杯楽しんで頂きたい。パークに来て、園内の親子同士でメールのやり取りをしているシーンを見るとそう思う。コミュニケーションツールなんだけど、ヘタすると「離れているためのツール」にもなりかねない…のでは?と。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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