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カテゴリ:事故・事件
GWの子供の日に遊園地のジェットコースターで死亡事故。
最悪の事態が起きてしまった。 事故原因に関することは、 これからの調査でさらに詳細が明らかになってくると思います。 ただ、わかっていることは、定期点検を怠った…ということで、 世間に与えた遊園地事業への不信感は計り知れない。 何といっても、 事故が起こらなければバレなかったかもしれない…という点が恐ろしい。 そして、それを明らかにしたのは死亡事故である。 遊園地の乗り物も飛行機でも、100%安全を言い切ることは難しい。 万全の整備であっても、自然界の予測不能なトラブルもあるし、 乗客の不注意やイタズラ、心臓発作のような突発性の傷病事故もある。 しかし、今回は「手抜きによる事故」だ。 つまり、手を抜いてなければ起きなかった事故と言い換えることができる。 「子供の日は、一年で一番の稼ぎ時だ!」 …というかけ声だけが飛び交うだけの施設もあれば、 「一年で、最も安全の維持が難しい日だ!」と準備に余念のない施設もある。 もっとも運営姿勢の差がハッキリしてしまう日だ。 エキスポランド自体、大阪万博の跡地の有効利用と言う事でできた 万博事業の延長のような事業である。 そこに、万博や遊園地などに遊戯機器の建設、企画、販売、運営の実績のある 泉陽興業の関連会社としてエキスポランドが運営管理していた。 その後も、万博の度に遊戯機器を販売したり、テーマパークでも アトラクションの建設、企画で活躍していた。 社長の山田三郎氏に至っては、全日本遊園施設協会(JAPEA)会長だの、 西日本遊園地協会理事長など、業界の重鎮と思わせる役職を歴任した人物である。 業界のイメージリーダー企業であるはずの彼らが、定期点検を怠るとは…。 本来なら、そうした怠慢経営を叱咤激励する立場にあったはずだ。 僕も若かりし頃、エキスポランドの関係者のセミナーで 遊園地の運営方法とか、安全管理などを学んだことがあったので、 ショックだし悔しさが溢れてきた。 さらに、先日から話題になっている、 中国北京のディズニーランドを真似た遊園地、 「石景山遊園地」の建設、設計などに関わっていたらしい。 あの報道(石景山遊園地)を見た時には、笑ってしまったが、 (着ぐるみの作りがあまりにもズサンなので) 日系企業(彼ら)が関係していた事実を知った時には、冷や汗が流れた。 大型テーマパークの恩恵を十分に浴びていたはずが、 このような施設に加担しているとは…(汗)。 バブル経済の崩壊から、十数年が過ぎて、レジャー施設にもようやく復活の兆しが 全国のあちこちに芽生え始めた時期だっただけに残念無念過ぎる。 今後の各施設の事業への影響は少なくないだろう。 一方、 一時は遊園地化されそうになった<旭山動物園>、 映画「フラガール」でお馴染みの<スパリゾートハワイアンズ>… といった、「脱、アトラクション」を実践して試行錯誤した施設が 大復活、大成功を果たしている。 事業への取組み姿勢の違いがハッキリと業績となって現れた気がしてならない。 徹底的に、動物とお客さんの目線に立った運営の取組みとか、 ハワイアンショー丹念に磨き続け、来場者の動向調査とか、 30年かかって創意工夫し育ててきたもので堂々と勝負している。 それと、正しいことは正しいと言える風土(ソフト)がある。 決してハード(建物、アトラクションなど)ばかりでない。 反面、「こうやれば成功する」「こんなことをやると失敗する」という事例が 揃ったのだから、これからの施設経営にとっては、大変重要な教訓を得たことになる。 私たち業界人は、この事故を教訓にしなければならないし、 できないなら業務や経営をする資格がない。 レジャ研もこのことを肝に銘じて、活動を続けます。 ご遺族の方々には、心よりご冥福をお祈り致します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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