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テーマ:中国&台湾(3301)
カテゴリ:サービス・マネジメント
現場のコンサルをやっていると、問題の半分くらいは実は本部(本社も)にある、
ことが多いことを実感する。 わかりやすく言えば、現場の貴重な営業時間を奪っているのである。 現場の人件費はギリギリまで絞っておいて、 さらに、 経理部から「○○シートを送信したので、月曜日までに提出するように」とか、 総務部から「○○委員会のメンバーを2名決めて、来週の会議に参加してください」 人事部から「アルバイトの評価前面接をしてシートに記入して送信してください」 営業部から「新しいパンフレットを作るから担当者を1名決めて会議に参加してください」 …などなど、果てしない(汗)。 「部」とか「係」ができた分だけ、 メールが飛び交うし「提出してください」「参加するように」となる。 こうした部門は、本来の目的はバックアップ部門のはずで、 現場をラクにして、営業活動に専念できるようにしなければならないはずである。 しかし、現実は、本部にスタッフが増えた分だけ、 「○○を提出してください」などのメールが飛んでくることになるから、 現場にしてみれば「本部こそスタッフを減らして欲しい」となる。 冷静に考えれば、必要なスタッフはいてもいいが、 問題は「提出しろ」とか「参加しろ」など、 バックアップが機能しないで、「仕事を増やしてしまう」ことである。 これを誰も指摘しないし、 最も問題なのは、現場にどのくらいの「要求モノ」が来ているのか? 誰も把握していないこと。 現場は、人件費を削られた上にお客さんからの要求で もう絞った雑巾を乾燥機にかけるくらいの厳しさがある。 それで、調べてみると…、 現場のスタッフの実働時間の40%くらいを奪っていることが判明したことがある。 (実例です) おまけに、本部主催の会議やミーティングは、 9-17の中で行われることが多いから、 現場での仕事の時間をしっかり食べていることになる。 それでいて、本部は定時に帰宅しているのだから、目も当てられない。 結局、現場長は残業して現場のことをやるしかないわけだ。 この残業の年間の累計額は恐ろしいことになる。 しかもサービス残業が多いから現場長は利益追求の被害者みたいなもの。 ある企業で「やっと3000万円の純利益が出た」 と喜んでたいのもつかの間、 僕らが現場で調べてみると、現場長たちのサービス年間残業分を足してみたら ちょうど3000万円だった(汗)。 なんのことはない、タダ働きさせた分が利益になっただけである。 本部のスタッフが「利益が出た!」と宴会ではしゃいでいる場合じゃなかった(笑)。 これはサービス業に限ったことではない。 これからは本部の仕事の180度、発想を変えさせなければならない。 現場の邪魔をしないこと。 あくまでもバックアップに専念すること。 例えば、どうしても会議を開催したいなら、 現場のピーク時間を外して行うこと。 それで、本部が残業になるのは構わない。 それが嫌なら、シフト勤務すればよい。 どうしても○○シートを提出してもらうなら、 できる限り、シートを完成させておいて、 「あとは、空欄に入力だけしてください」などの配慮をすること。 少ない人数で100円でも多く売上げるためには、当然のことで、 このくらいのことをやっている会社もある。 一般的に、本部スタッフは社内に対しての仕事が多いので態度が悪い。 お客さんに接触している頻度に乏しいとそうなる。 揉まれてないし、磨かれていない。 社内相手だと横柄になる。 本部という看板が強いから、現場に怒鳴られたりすることは少ない。 どこの企業にも「プチ官僚化」が進行してしまうものである。 そうなると「民営化」するしかないですね(笑)。 現実には、 本部のほとんどの仕事を外部業者にやってもらった方が、 本当のバックアップサービスを味わえるから、 現場としてみれば大賛成である。 「○○をいついつまでに提出しろ!」などと言わない。 逆に、現場まで来てくれたりする。 そして、シートの入力方法を教えてくれたり…。 今までより大事にしてくれるし、サポートをしてくれる。 (本来の本部の姿をみているようだ) だから現場の本音で言えば、 本部業務のアウトソーシング化は大歓迎となる。 それで本当に実務効率があがるのだから仕方ない。 現場の人は、今までは本部の分まで「おんぶにダッコに肩車」状態で、 身動き取れなかった分、身軽になって活動が活発になる。 いずれにせよ、 これからは絞ればまだまだ水が出る本部をどうするのか? が経営課題だろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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