今日の充填治療203.01(初中級編)
15歳女子、左下6、隣接面カリエス、自発痛ーこの時の続編ですが、http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/201606130001/3年前と8年前の画像がありましたので、供覧します。虫歯の進行速度とはどの程度のものなのか?歯医者でさえ、こんな虫歯の長期変化の画像など、なかなか見ることはできないと思う。なぜなら、歯医者は虫歯は治らない、一方的に進行するだけと思い込んでいるので、即削って埋めようとしますから。というか、商売だからwこの子はミュータンス菌はレベル3(多い方)です。しかも「重曹うがい」とか全くしていませんでしたw食生活上の指示や「重曹うがい」の指示はもちろんしていたのですけれどね。2008/8/52013/1/5で、昨日2016/6/13次回は右下6にも介入せざるを得ないでしょう。痛みが出る寸前かもしれませんwレントゲン画像エナメル質だけを残して、象牙質だけが溶けてしまっています。この手の虫歯の穴の中には意外に細菌が少ない場合もあります。次回CR充填時に顕微鏡検査をしてみます。これは電気化学説によれば「微生物腐食」そのものです。とは言っても微生物の存在が必須かというとそうでもありません。虫歯の進行を速める存在というべきか。歯の中に流れる電気の伝導の担体としての水素イオンの存在、何らかの電位差を生じさせる電気的メカニズムの存在、これらが虫歯を起こさせるために必須の条件です。このケースの場合、イオン化傾向が「エナメル質<象牙質」なので象牙質が陰極:腐食電極になり、さらに細菌が解糖系で酸素を消費し、pHが下がる。2重3重に象牙質の腐食要因が重なり、内部の象牙質だけが溶けるのです。単純に酸で溶けるのならエナメル質も多少なりとも溶けるはずですが、実際にはそうではありません。詳しくはここを参照してください。http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200904260005/こういう現象を説明できるのは「虫歯の電気化学説」以外にはありません。