歯科治療で死亡した2歳児
というのが話題になっています。https://news.yahoo.co.jp/articles/295d65c2f3da8d6fc5d46553ecaa0386b53f4cb4もう何年も前の話なのだが、腑に落ちないことだらけだ。まず2歳児で歯医者に連れていかなくてはならないほどの虫歯になることは現在ではマレだ。乳歯が萌え揃ってまだ半年〜1年半しか経っていないと思われるからだ。ここの「咬合性外傷性による虫歯」やシェーグレン症候群のような基質的な問題、ネグレクトがある場合などに限られるのではないか?という印象を持つ。ところが、司法解剖した解剖医によると小さな虫歯の治療痕しかなく麻酔が必要だとは思えなかったという。この動画にあるように日本の歯科業界には大人も子供にも過剰診療が横行していることは否定できない。診療報酬が昭和40年以来異常に低く据え置かれていて、世界標準の1/10になって久しい。数をこなさないとやっていけないからだ。16本の内一番虫歯になりやすい上顎のAAが虫歯になっておらず残りの歯が全部虫歯で、一番虫歯になりにくい下顎の前歯が虫歯になっているというのも考えにくい。この治療をした歯科医師がカルテに嘘の記載をした可能性が高いとは思うが、両親も見れば分かると思うのだが、どうなのだろうか?僕は診ていないのではっきりしたことは言えないのだが、小さな穴が開いたばかりの充填治療ほど象牙質の象牙細管が閉じておらず痛みを感じやすく、場合によっては麻酔が必要だったのかもしれない。あるいはここで述べられているように健全歯質を削るため(過剰診療)に麻酔が必要だったというのも否定できない。健全象牙質を削ると痛い。僕は基本的には麻酔を使わないのだが、穴が開いたばかりの虫歯にCR充填治療をした症例をアップしてみる。もちろん麻酔は使っていないが、虫歯を残さないという条件下であればこの程度の虫歯が麻酔を必要としない限界かもしれない。僕が麻酔を使わない理由は虫歯を残しても辺縁封鎖が完全なら虫歯は進行しないという「虫歯の電気化学説」の立場だからだ。僕が麻酔を使う場合は虫歯を除去するときではなく、歯髄息肉を除去するときくらいだ。虫歯(軟化象牙質)は削っても痛みを感じない。4歳児で咬合性外傷があるように見える症例beforeafter