ABC絵本
少しご無沙汰しました。今日は七夕ですが、空は雲で覆われ天の川を見ることはできないようですね*************7月3日(土)4日(日)、敬和学園大学のオープンカレッジ「絵本の愉しみ4」に行ってきました。3日(土)はABC絵本についてでした。紹介された絵本は日本で出版されていないものが多く、初めて見る絵本が多かったです。それもそのはず。「あいうえお絵本」ならともかく「ABC絵本」ですからね。A=appleとリンゴの絵を描かれても、日本人ならA=リンゴ???となってしまうわけですから。最近は幼児期から英語を習わせる家庭も多くなってきましたから、ABC絵本もこれから増えていくかもしれません。ABC絵本といっても、ABCの表現の仕方が作家(イラストレーター)によって様々で、A=apple B=balloon と一つのアルファベットに一つの絵を添えたものもあれば、B=baby,baker,bear,birdとBのつく単語がたくさん挙げられ、赤ん坊を抱いて立っているパン屋が頭に鳥、首にクマ、足にアナグマがいつかれて困惑している様子が描かれていたり、ノアの箱舟に乗り込む動物達がABC順に並んでいるもの、アップルパイを中心にしてアップルパイをどうした?形式で表しているもの、職業や人の呼び方(女王、レディ、紳士、乞食など)中でも参加者の注目を集めたのが、マーシャブラウンの版画で描かれた「All Butterflies」(みんなちょうちょう)マーシャ・ブラウンの版画の美しさもさることながら、All Butterfilies 続いてCat Daance、Elephandts Fly? ・・・とアルファベットの語順の最初から二文字ずつを区切って、そこに意外なイメージを生んでいてノンセンスの楽しみがあります。あいうえお絵本であれば、「を」「ん」を頭文字に持つ物の名前は無いですが、アルファベットでも「X」と「O」はなかなか表現が難しいようで、これらをどのように表現するかが作者の腕の見せ所のようです。また、ABC絵本ですから、幼い子供に向けて作られるという事になります。例えばR rabbit(うさぎ)と表現するのにうさぎの絵を描いても、「うさぎ」は他にもhere、bunnyもあって、幼い子にはむしろbunnyの方がなじんでいるから、R=rabbitは連想しにくいのではないかと指摘されていて、なるほど・・・と思いました。同じように「くま」を表す時もぬいぐるみのくまでは正確にはteddy bearなんだそうです。日本人は熊もぬいぐるみのクマも「くま」でいいような気がするんですが、幼い子供に向けた絵本を作るということは、それほど考えて作られなければならないんですね・・・ということは、それを選ぶ大人もそれなりに気をつけて選ばなければならないんでしょうね。幼い子供だからといって、ぬいぐるみのような可愛らしい絵のものを選ぶのではなく、むしろリアルな絵のものを選ぶべきなのかもしれません。「All butterflies」 「えほんやるすばんちゅう」さんに画像がありましたので見てみたい方はぜひ・・・ マーシャ・ブラウンの作品は「三びきのやぎのがらがらどん」「ちいさなヒッポ」などです。この2冊も超オススメです。 4日(日)はモーリス・センダック、ウィリアム・ニコルソン、赤羽末吉についてでした。明日のブログにのせたいと思います。