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カテゴリ:フランス料理の文化と歴史
♪今日も元気にドカンを決めたら ヨーラン背負ってリーゼント ヘィ!
懐かしの名曲、「ツッパリhigh school rock'n'roll」の歌い出しの部分ですね。 私たちのような30代半ばの世代にとって、当時は「ビーバップハイスクール」全盛の時代。 当時のツッパリ少年と呼ばれる人々はみんな、太っといズボンを履いて、丈の長い学生服で街を闊歩していたものです。 「~ドカンを決めたら」、の 「ドカン」はワタリ幅の広い学生ズボンのこと。 「ヨーラン」は超ロング丈の学生服の上着のことでした。 そういえば、「ヨーラン」がとにかくいちばん長い上着で、その次が「長ラン」、もちょっと短くなると「中ラン」だったでしょうか?最近じゃあんまり見ませんね。 実は、このロング丈の上着のスタイル、英国紳士の間では非常に格式の高い装いでもあるということをご存知でしたでしょうか? で、前回の日記で「燕尾服」について触れたのですが、燕尾服は現代の形状になる前は「フロックコート」と呼ばれる「ツッパリ学生服」に似た形状の上着であったのです。 フロックコートは本来、男性の正式な礼装で、現代では結婚式の新郎の着る装いとして時々見かけますね。西洋ではキリスト教の修道士が着る修道士服はフロックと呼ばれています。 紳士の嗜みのひとつに、乗馬があったりするわけですが、このフロックコートは丈が長くて、馬に乗るのにはどうも不便でした。そこで前の部分を切り取ってしまえ。ということになったのでしょうか、おしりのほうだけに上着の生地が残った形状になって現代の「燕尾服」に至るようになりました。 現代の日本のレストラン、ホテルで燕尾服を着用しているところはそう多くありませんが、代表的なお店でいうと、銀座の「マキシム・ド・パリ」が挙げられます。 また、更に燕尾服のおしり側の生地を無くした「メスジャケット」あるいは「スペンサージャケット」と呼ばれる丈の短い上着があります。 我々の業界用語では「モンキーコート」の名前が一般的なようで、「コミ・ド・ラン」(レストランの「ブリガード」:参照) が着ていることが多いですね。 ツッパリ学生服が実は格式の高い装いであったとは意外ですが、レストランにおいても着用しているユニフォームの違いでスタッフの立場の違いが分かることがあります、、、 (次回に続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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