|
カテゴリ:フランス料理の文化と歴史
好評連載中!
↑ウソウソ 前回からの続き レストランはオーケストラ!?(その1) レストランはオーケストラ!?(その2) さて、あなたがレストランに到着するとき、様々な人々が働いているのを眼にすることと思います。 「レストラン」と一口にいっても様々ですので、まぁ具体的に言うと、何年か前のテレビドラマ、「王様のレストラン」の舞台となった「ラ・ベル・エキップ」ですとか、少々値の張るフランス料理店としておきましょうか。 男性スタッフ、女性スタッフ、若い人、結構年配の人、タキシードの人、ベスト姿の人、ソムリエスタイル、白いジャケット、、、などなどです。 一番エラそうな人を探してみましょう。 そうですねぇ、、、あの「ダークスーツ」の方でしょうか? 先に述べた「王様のレストラン」でも、店のオーナー側である筒井道隆と西村雅彦両氏は劇中でもずっとダークスーツ姿でした。 お二方の役どころは、それぞれ、「パトロン」と「ディレクトゥール」。平たく言えばパトロンとは「出資者」つまりオーナーで、「ディレクトゥール」は営業・経営の責任者ということになります。 お客様に直接に接触しないことを大前提としているからでもあります。また、経営者の主たる仕事のひとつに「金策」「外商」もありますので、外出することも含めてのスーツ姿ともとれます。 しかし、経営者と言ってももちろんレストランという場の性格上、ドレスアップされて来店されるお客さまへのもてなしの意味を込めねばいけませんので、「ビジネススーツ」との違いを強調する必要があります。 ひとつは、シャツの変化です。真っ白なワイシャツはどうもビジネスっぽく映っていけませんので、シャツに変化を持たせます。具体的には色つきののシャツを。袖口だけ白でダブルカフスと呼ばれる、折り返してボタンで留めるスタイルだとなおヨロシイかも知れません。 胸ポケットには3ッツ折りにしたサテンのポケットチーフを加えます。ただの「仕事用の作業着」では無いというアピールが出来るでしょう。 「ダークスーツ」はあくまでも、紺とかグレーの落ち着いた色合いのことを指します。黒のブラックスーツと呼ばれるものは、あくまでも「タキシード・スーツ」より格下扱いです。 燕尾服を簡略化したもの。それが、タキシードであり、タキシードを「ハレでもケ」でも使えるようにしたのが、日本の「礼服」といわれるブラックスーツ。やっぱりブラックスーツはいきさつの上で略式化されていますのでダークスーツよりのエラくないといえます。 さて、話の中に登場しました「燕尾服」。グランドレストランで無いと似つかわしくないといったこともあり、日本のレストランで見かけるのは稀になってきているようです。 銀座の「マキシム・ド・パリ」か。「レカン」か、あるいはハウステンボスの「エリタージュ」か。そう多くはありませんが、「燕尾服」を着用しているのは「メートル・ド・テル」クラス、つまり現場のマネージャークラスの方々です。 燕尾服よりも一般的なのがやはり「タキシード・スーツ」メートル・ドテルはもちろんのこと、お客さまのテーブルに料理を直に提供する役割を持つ、シェフ・ド・ランクラス(「レストランのブリガード」参照)はお客様との会話が主たる、そして最も重要である職務ですから「礼」を尽くした装いでお迎えするのです。 もっとも、パリの一流レストラン「タイユヴァン」においても近年の改装に伴い、ユニフォームはグレーのスーツに変わりましたから、時代とともに変化が見られるのは当然です。しかしながら、現場のメートル・ド・テルにとって最も重要な職務は「社交」であり、いずれにしても失礼の無いようにする必要があるのです。 続く、、、 こちらをクリック お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jan 6, 2007 03:06:21 AM
コメント(0) | コメントを書く
[フランス料理の文化と歴史] カテゴリの最新記事
|
|