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November 21, 2009
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カテゴリ:「共」育

今年の2月、東京で行われた国際教育協力日本フォーラムを拝聴しました。

トーゴ共和国の元教育大臣、コンラビ・フランシスコ・セドーさんと
兵庫教育大学長、梶田叡一さんの基調講演ののち、
会場からの質疑応答で、ある短大に通っている女性から、以下の問いがありました。

   私は小学生の時、なぜ、学校に行かなければならないのだろう、
   教育を受けなければならないのだろうと思っていました。

   書き方を教えてくれる先生はたくさんいましたが、
   学校に行かなければならない理由を教えてくれる先生はいませんでした。

   なぜ学校に行かなければならないのか、どのように子どもたちに説明されますか。


これに対し、コンラビ・フランシスコ・セドーさんは、

   トーゴでも、苦労して子どもたちを学校へやったのに、
   子どもたちが仕事に就けなかった人から、同じ質問を受けたことがあります。

   仕事に就けないのに、なぜ子どもたちを学校へ行かせなければならないか。

   子どもたちの将来のために、学校ほどよい機会を提供できるところはありません。

   子どもたちにチャンスを与えるために親ができることは、
   子どもを学校にやることだけです。

   ネルソン・マンデラの言葉を引用したいと思います。

   「貧しい農民の子どもが一国の大統領になる道は学校しかない」

   学校に行かなければ、それは不可能です。

と、答えられました。
(広島大学教育開発国際協力研究センター編
 “第6回国際教育協力日本フォーラム報告書”33~34頁、2009)


マンデラ元南ア大統領の言葉も、経験に基づいた、重みのある言葉だと思います。

マラウイでも、私のいた村には、
子どもに教育を受けさせることに前向きな親御さんもたくさんいらっしゃいました。

   私の住んでいたゾンバは、最高学府チャンセラーカレッジや
   国家試験を作成、監督する機関やマラウイ教育研究所などある
   文教地区だったからで、さらに農村部へ行けば、
   学校へ行きたくても行けないトコザニちゃんのような子どもたちもたくさんいます。

マラウイの新聞に載っている求人広告を見ると、大抵は高校卒業資格(MSCE)、
政府機関やNGO、銀行、電力会社などのホワイトカラーの職種には大卒が求められていました。

ここでも紹介した通り、高校卒業資格の合格率は、全国平均で3割程度。
そこから大学受験にチャレンジできるのは、ごくわずかです。

私の飲み友達だったあるおまわりさんは、卒業資格は持っていないけれど、
高校2年から3年への進級資格(JCE)はあるから、今の職に就けたと言っていました。

つまり、高校の卒業資格や進級資格を得ているか否か、
大学を卒業しているか否か、英語を話せるか否かで、職業や収入が左右されます。


大学を卒業したものの、望む職につけず、
当面の職として、高校教師をしている人たちにも何人か会いました。

   もちろん、高校教師を最終目標にしている人たちもいました。


したがって、親たちが教育に熱心になる気持ちもわかるし、
良い就職ができなければ、トーゴの親御さんのような疑問をもつのでしょう。



しかし、日本の子どもたちにとって、

「将来のために学校へ行く」

という実感も、意義も薄いと思うのです。

先日も、テレビで、中学時代の成績はオール1だったけれど、
今は自営業をされている方が紹介されていました。

景気に左右される不安定な職種や年齢制限など、
さまざまな問題があるとは言え、
日本にはいろんな職種があるし、起業のチャンスもある。

学校のお勉強ができなくても、仕事に就ける可能性は、
マラウイよりはるかに高い
と思います。

大田尭さんがおっしゃっている、
日本の子どもたちがもっていない目当てや実存的欲求不満
とは、
勉強しなくても、仕事に就ける、
仕事をしなくても、生きていける
こともその一つでしょうね。


私自身、「なぜ学校へ行くのか」という問いに対する
明確な答えはこれまで持っていませんでした。

今は、自分を高めるために学校へ行くのだと思います。

読み書き算ができた方が、生きていく上で便利です。

私自身、学校で答えを教えてもらった記憶は少なく、
クラスメートと話し合い、答えを見つけたり、考えを深めたりしていました。
つまり、考え方や、テーマを見つけたり、その解決力を鍛えていただいたような気がしています。

そして、我々は、一人では生きていけません。
人との関わりや、集団での役割も、学校で学んでいるのだと思います。

お勉強ができなくても、運動能力が高い、
素敵な演奏ができる、素晴らしい作品が作れる、
あるいは、毎日、黒板拭きをした、本の整頓をした、などなど、
私たちは一人ひとり、その魅力も生き方も異なります。

学校は各々が自らの目標に向かって、高め合い、支え合える場であって欲しいと願うのです。



寒いですね。数日前から、我が家にもストーブが入りました。

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Last updated  November 22, 2009 12:55:28 AM
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