信仰と性
アルゼンチンの17歳の少女が、7人の子どもの母親になったという記事がありました。“GIGAGINE” 2009年01月23日“The Province” February 25, 200814歳で、男の子を初産。15歳で、女の子の三つ子を産み、さらにまた、それぞれ1.7kgの女の子の三つ子を産んだ。この間、流産もしている。清掃業をしている49歳の母親曰く、娘は、避妊注射をしていたので、妊娠は、予定外だった。「もうこれ以上、子どもはいらない。 また三つ子を妊娠していると知り、我々は死のうかと思った。」娘は仕事をしておらず、母親の家の居間で寝起きしている。長男の父親は、娘とその子を見捨てており、最初の三つ子の父親は、暴力をふるって彼女たちを家から追い出し、次の三つ子の父親が誰か、彼女は明かしておらず、母親が一人で、経済的な面倒をみている。母親は、娘がこれ以上、妊娠しないよう、卵管をしばる手術を医師に頼んだが、アルゼンチンの法律では、21歳以下の女性に、その手術は禁止されている。ソーシャルワーカーによれば、彼女は、性教育を受けていたにも関わらず、また妊娠してしまった。数年前、フジテレビの『世界がもし100人の村だったら』というドキュメンタリーで、アルゼンチンでは、中絶にはお金がかかるものの、出産費用は無料なので、十代の出産が多いというレポートを見ました。冒頭記事の「カソリック」の文字が気になり、サーフィンしました。カソリックでは、婚前交渉、中絶、避妊、同性愛のほか、離婚も、人工授精も、認められていないのですね。外務省のアルゼンチン基礎データによれば、宗教はカソリックとのこと。ここにも書いた通り、マラウイでも、性を公の場で語ることは、タブー視されています。知人のお兄さんが離婚、 と言っても、彼が外国に出稼ぎに行っている間に、 奥さんを主治医に寝取られてしまったのであり、 彼は、奥さんから捨てられたのですが、それでも、教会から、参拝を禁じられていると言っていました。毎週、日曜には教会に行く、まじめな信者さんだったので、気の毒に思っていました。同僚の信仰していた宗派では、彼らの洗礼は、頭に水をかけるのではなく、プールのようなところに入水すると言っていました。マラウイも、カソリックの影響が大きいのでしょうね。避妊が禁止されているのなら、HIV/AIDSをはじめとする、性感染症の予防も難しいですね。信仰の力で、性欲もコントロールできるのが、教えなのでしょうか。しかし、聖職者による性的虐待も多発しているようですね。マラウイでも、中絶は法律で、禁じられていると聞きました。が、非合法で、中絶を受けられるようです。ある高校の副校長が、生徒を妊娠させました。生徒は堕胎、退学。副校長も転職したものの、さらに高収入・高地位の職を得たそうです。不祥事を犯した人の転職が、ステップアップにつながるのは、前大統領時代からの悪習と、知人は言っていましたが、性犯罪を犯した聖職者への処罰が甘いのも、カソリック的配慮なのかもしれませんね。聖書が書かれた頃、存在しなかった避妊や中絶を禁止することを、疑問視する意見もあるようです。望まない妊娠を防ぐためにも、HIV/AIDSの予防のためにも、リ・プロダクティブヘルス教育は必要だと、私は思っています。親が子育てを楽しみ、子がのびのび育つためにも、親子の抱えるストレスを、軽減する必要があると思います。しかし、信仰している人たちにとって、宗教の教えは、命や人権以上に、大切なものなのかもしれません。生命や人としての尊厳をまもることと、信仰を、いかにバランスをとりながら、豊かな、幸せな人生を築いていくか。簡単には解決できない、人類が考え続けてきた、壮大なテーマなのでしょう。私もまた、考え、試し続けていきたいと、思います。学ぶことは楽しい今日もぽちっと応援ありがとうございます