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カテゴリ:大連の暮らし
昨日の日記「広域汚染」とも関連しますが、膨大な人口を抱え、経済高度成長中の中国では、あらゆるジャンルの環境問題が深刻になっています。私たちの暮らしに身近なところでは、ごみ問題もそのひとつです。
大連など、中国の各都市では、生活物資の量や種類が、年々、爆増し続けています。それに伴い、「ごみ」も爆発的に増えているわけですが、その増え方に対して、ごみ捨てマナーの向上や、処理システムの進歩が追いつかず、大きな社会問題に発展しています。 特に目につくところでは、ごみ散乱の問題があります。たとえば、私の住まいの近くに、「大連理工大学付属学校」という小中学校があって、大勢の父兄が毎日、子供を送り迎えに来るのですが、彼らが帰った後の、ごみ散乱がとにかくひどい!プラスチックから食べ残しから、あらゆる種類のごみが、至るところに散乱しています。これは、親たちのマナーの問題もありますが、同時に、周りにごみ箱が存在しないという、収集システムの問題でもあると思います。 昨日、「大連晩報」で面白い記事を目にしました。私の住む大連市沙河口区では、今年11月、ごみ収集・処理の現場で活躍する職員20名を、日本へ視察に行かせたそうです。彼らは、東京や大阪、京都など大都市を中心に、1週間にわたる視察を行い、帰国後は、大連のごみ処理システム改善に関して、いくつかの提案を行っています。以下は、その内容です。 1)資源物回収箱に教育効果をもたせる 日本で見た資源物回収箱は、「飲料容器」、「紙ごみ」、「使い捨て食器」、「電池」の4種類の分別になっていて、それぞれが、どのような用途に再生されるのかが、詳しく書いてあり、おまけに、再生品の模型まで置いてある! 大連でも、長年、資源物回収の取り組みを行ってきたが、まだまだ目に見える成果が上がっていない。もし、日本のように適切な情報を与え、教育効果をもたせれば、もっと成果があがるのではないか? 2)ごみ箱は簡素なものでいい 日本のごみ箱は、鉄製、プラスチック製の簡単なものが多く、大連のそれより質素である。大連では、高価なステンレス製のごみ箱を置いているが、資源節約を目指すべきご時世でもあるので、今後は日本のように簡単なものを設置しても良いと思う。 3)生ごみの廃棄に水切りを活用する 日本の食堂では、生ごみを廃棄するにあたって「水切り」を用いており、廃水は下水道へ、(水切り後の)生ごみはごみ箱へ・・・という捨て方をしていた。大連市内に数万軒ある食堂でも、この「水切り」方式を導入してもいいのではないか? 目覚しい経済発展の一方で、都市環境は悪化が目立つ中国の各都市。これは、かつて高度成長期を経験した日本がたどった道でもあります。都市環境の管理や美化、衛生化といった面で、この国が日本に学ぶことは、とても多いと思います。大連の清掃現場で働く職員の真摯な声が、いつの日か、大連の環境行政に反映されることを、切に希望します。 ちなみに、大連市沙河口区では、この12月にも、日本視察団第二弾を企画しているそうです。お金もってんなあ、中国の行政って・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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