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木曜日にテレビ東京のWBS見ていたら、EOYアントレプレナーシップの表彰式が写っていました。正直な感想、「まだ残っていたんだ」、という驚きで見ていました(失礼!)。
この会は、アメリカの会計事務所Ernest & Young がワールド・ワイドで実施している会を、同所と提携している新日本監査法人が2001年より日本版として行っています。 活けているベンチャー企業の社長を表彰することで、ベンチャー企業の成功事例を普及させて、ベンチャー企業を大いに盛り上げることが趣旨のようです。ここで代表として選ばれると、世界のベンチャー企業の社長と交流を持てるようです。 自分がその存在を知った、開始された2001年のからずーっとこの6年間そのセレモニーが残っていたことは知りませんでした(聞いたことはあったかもしれませんが、あまり大々的にとりあげられていなかったことなどで注意を払っていなかった)。 今年のアントレプレナーシップ日本代表は、音声認識の技術をもつアドバンスト・メディアです。ファイナリストとして残っている企業には、あのSNSのミクシィとか、高級ホテルの予約サイト運営の一休、余った商材などを取引するB2Bのサイトを運営するラクーンなど、上場企業の顔も見れます。 歴代のファイナリストとして残ったベンチャーを見てみると、知っている上場企業があったり、栄枯盛衰を感じさせたりで、ベンチャー企業をターゲットとしている個人投資家としては、かなり興味深いです。思わず過去のファイナリストの企業を見てしまいました。 特徴として、1つはIT系(中でも、技術系)が多い印象を持ちました。技術系ベンチャーを好む審査員の嗜好もあるのでしょうか。 あともう1つの特徴としては、ベンチャーといっても、バリバリのスタートアップ(社員3-5名ぐらいのイメージ)のものより、IPOをマジかに控えたレイター・ステージのものが多いのかなという印象も持ちました。 過去のファイナリストを見ていくと、2001年のファイナリストでは、カブドットコム、マネックス証券といった今では有名どころのネット系証券会社もありますが、IT系のサイボウズ、ソフトブレーン、USEN、ACCESS、この間上場したネットエイジ(基本はVCですが)など、目をひきますね。ITバブルの名残でしょうか。 それから、アセットMの古川さんも2003年のファイナリストとして参加していたんですね。 ![]() 自分は保有したことないけど、ファクタリングを展開するフィデックの深田氏もノミネートされたようです。 ![]() 自分は、今回初めて見た深田社長の顔に興味を惹かれましたが、皆さんはどんな印象をお持ちでしょう。だんだん、社長の顔コンテストになってきましたね(笑)。 マニアックなところでは、2002年にノミネートされた未上場のポータルという会社。ここは以前私が保有していたネクステックが今年2月にMAしました。データクレンジング(データの洗濯、整理)を武器に、顧客企業のために部品管理点数の削減と新規部品検索時間の短縮を実現する会社ですが、ここもノミネートされていました。昔ネクステックのホルダだったので、少しサプライズ。 そういうネクステックも、2005年にノミネートされていました。ある意味、2002年ごろは絶好調だったポータルが失速してきたのを、伸びてきた(しかし前期は利益計画未達)ネクステックがうまく買い取ったということでしょう。栄枯盛衰です。 次は、TVにもたまに取り上げられるので、未上場ですが、聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。ペット向けの保険を提供するアニコム。 アニコム 同社のHPには財務情報が表示されているので、もうすぐIPOは近いのでしょうか。ただ、いまいち、2006年3月期はぱっとしません。売上高13億円に対して、7.5億円の営業損失。過去からの業績の経緯はわからないです。面白い事業をされている印象を持っているので、これからどうやって拡大していくのか興味があります。 過去の経緯を振り返ってみると、ベンチャーらしい多産多死など影の部分も見ることができます。 このEOYアントレプレナーシップでファイナリストとして選定されましたが、民事再生法の申し立てをした会社もあります。 ○ドテックス 2002年に日本代表になった企業のなかには、オーナー社長が退任した会社もあります(追い出された?)。 ○ラーテム・テクノロジー この会社を選んだ経緯はよくわからないのですが、「優れた技術こそ、ベンチャー(≒ビジネス)のコアだ」という信念が審査員の方のなかにはあるのでしょうね。自分的には、技術うんぬんよりも、マーケティングとか、その時代のそのタイミングでその事業をやっている運のほうが重要だとは思うのですが。 塀の中に落ちたあの社長もノミネートされていました。 ○リエモン それにしても、情報の告知・共有の仕方が、今風に進化しているんですね。事務局などがブログを活用して、情報提供しています。 フランスのニースでの世界大会の模様を、事務局の方が報告されていて、面白いです。 事務局のブログ その他、VCなど関係者がブログをしていて、それはそれで面白いです。 まったくの想像で話すので的を大きく外しているのかもしれませんが、恐らく、日本のVBを盛り上げようとしているこの会の課題は、ベンチャー企業にとってメリットが見出しにくいことだと想像しています。 世話人の西岡さん(モバイル系のベンチャーに投資するVC、モバイル・インターネット・キャピタル社長)のブログで、やや徒労感を感じさせつつ、次のように書かれていたことから、課題だろうと想像しています。 (引用) この問題意識を持ち続けて本EOY-Jに参画し、特に審査委員長をお引き受けしたこの3年間は、EOY‐Jの活性化(起業家自身の積極的な参画という意味で)のためにいろいろやったが成果を出せずに終わった。推薦部会の草の根活動を取り戻したり、過去応募アントレプレナーの再挑戦を呼び掛けたり、ファイナリスト選定過程と同期して起業家が集うリアルのコミュニティを実施したり、起業家が集うバーチャル・コミュニティとしてEOYブログを立ち上げたりと推薦部会、事務局の協力でやってきたが、しかし、起業家の積極的な参画は進まない。いや、むしろ、その問題意識そのものが私の勝手な思い込みであったようだ。 むしろ、「ベンチャー経営者は自分の会社のことで手一杯で、そんなことをやっていられない」というのが大勢の意見らしい。 そして、「日本の優れた起業家の顕彰は起業家自身の問題であるはずだ。運営資金もアイディアも審査まで何もかもを既成の人や既成企業に頼っているのは本来の姿ではない」と考えるのは私を含めて極々少数意見なのかも知れない。 (引用終わり) 西岡氏ブログ この会で名前が売れるのかもしれませんが、であれば、日経とか雑誌とかに自社商品が出たほうが、もろに商品の引き合いが来そうで、広告効果はありそうです。 やっぱり、関係者にメリットが見えにくい仕組みは、大いに盛り上がるとはいえないですね。そこは、どの分野にも当てはまる普遍的なことなのかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年10月07日 07時03分15秒
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