貧困率
「日本では、国民の15.7%が貧困」という政府発表がありました。この数字は「相対的貧困率(taux de pauvreté relative)」であり、「絶対的貧困率(taux de pauvreté absolue)」ではありません。「相対的」ということは、国民全員(全世帯)が全く同じ所得でない限り、「貧困層」が「数学的に作られる」のです。また、「貧富の差が小さいほど(良いことですね)貧困層は多くなる」とも考えられますし、「平均的世帯の所得が上がれば(これも良いことですね)、貧困層は増える」とも考えられます・・・マスコミが、「相対的」という言葉を意図的に省略して、「格差拡大」を叫んで、視聴者の関心を呼ぼうとしているようで、気分が悪くなります。また、「小泉改革の責任」だという意見は、無知もしくは政治的悪意の表れにしか思えません。何事も「relativiserする(相対的に捉える、割り引いて考える)」ことが大切なようです。フランス語翻訳を生業にしています