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テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:試写会2011
新春第一発目試写会だ、客入りは若干空席があるもののほぼ満席、主権は講談社さんだ。それにしても一ツ橋ホールは相変わらずピンポケ気味の非常に甘いフォーカスには絶句である。
輸入盤CD スペシャルプライスソーシャルネットワーク / Social Network 輸入盤 【CD】 映画の話 2003年、ハーバード大学の学生マーク・ザッカーバーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)は、学内で友人を増やすためのサイトを親友のエドゥアルド・サヴェリン(アンドリュー・ガーフィールド)と共に立ち上げる。サイトは瞬く間に学生たちの間に広がり、ナップスター創設者ショーン・パーカー(ジャスティン・ティンバーレイク)との出会いを経て、社会現象を巻き起こすほど巨大に成長していくが……。 映画の感想 中々面白い作品であるが、インターネットをやらない人にはチンプンカンプンな内容であり、専門用語が入った会話劇の応酬が続く為に付いて行けない観客も出てくるであろう。その為にザッとでいいので「Facebook」について予備知識を備えたほうが良いだろう。 映画の構成は2003年秋にザッカーバーグが彼女にふられた腹いせにブログに彼女の悪口を書き、勢いに乗って立ち上げた女子学生ランキングサイトが大評判になる幕開けで、このまま時系列に物語が進むかと思って見ていると、フェイスブックを立ち上げに絡んだ学生達にザッカーバーグが訴えられ、彼と訴えた学生と弁護士が同席する示談の場が物語の案内役となり、現在と過去が交錯する複雑な構成をとっている。 映画はあくまでもフェイスブックに関わった人々のみが描かれ、Facebookを利用するユーザーの姿がほとんど描かれていないのが寂しい。私はてっきり「Facebookが及ばす社会影響力」も描かれると、勝手に思っていたので若干拍子抜けしてしまった。まぁ、それにしてもザッカーバーグと言う人物はコンピューターオタクな大学生なので、それほど魅力のある人物ではないので面白味は無い。かえってザッカーバーグに大学内SNS作りを依頼する双子のウィンクルボス兄弟(アーミー・ハマーが一人二役を演じたそうだ)や、ナップスターの創設者ショーン・パーカーの方が魅力的である。 本作をテヴィッド・フィンチャー監督作品と見ると、「ゾディアック」と同じ実話を基にした作品であるが、犯罪物でなく大学生のサクセスストーリーと言うのが興味深い。一連のフィンチャー作品から見ると本作は異色な作品であり、観客が気づかない隠し味程度のVFXをフィーチャーした人間ドラマと言うフィンチャーが次のステップを明示した作品になるだろう。そんなフィンチャーに新たな道を導いたのが製作総指揮にクレジットされているケヴィン・スペイシーなのかもしれない。彼はフィンチャーの「セブン」で犯人を演じた人物で、スペイシーが現在でもフィンチャーとパイプが繋がっていた事にファンとして嬉しい。 以下ネタバレ注意 本作の上映時間は丁度2時間だ。Facebookの誕生を通して一人の人物の一部分を大々的にスポットをあて、時間軸を前後させながら人物像を炙り出す。フィンチャーはザッカーバーグに対して皮肉たっぷりに1曲の曲をエンディングにフィーチャーしている。その曲が「ビートルズ/愛こそはすべて」のB面に収めら、現在「マジカル・ミステリー・ツアー」に収録されている「ベイビー・ユーア・リッチマン」だ。若い時にMTVの監督をしていたフィンチャーらしいブラックな選曲に、イントロが聞こえてきた瞬間に「おっ、そうきたか!」と思わず膝を叩いてしまった。本作を見ると“金の切れ目が縁の切れ目”とはよく言ったもので、仲間同士で同じ方向に進んでいた大学生達が金や名誉に目がくらみ、友情が崩壊してゆく過程は現代世の中の縮図のようであった。 映画「ソーシャル・ネットワーク」関連商品 ★アカデミー賞候補の話題作!★[初版・映画ポスター] ソーシャル・ネットワーク (THE SOCIAL NETWORK) [ADV-DS] 【送料無料】ビートルズ/マジカル・ミステリー・ツアー(初回生産限定盤) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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