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趣味の漢詩と日本文学

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March 11, 2006
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カテゴリ:漢詩・漢文
雜詠八首(上禮部李侍郎) 春鏡 劉長卿
寶鏡凌曙開、含虚淨如水。
獨懸秦臺上、萬象清光裏。
豈慮高鑒偏、但防流塵委。
不知娉■(「女」のみぎに「亭」。テイ)色、回照今何似。
【韻字】水・裏・委・似(上声、紙韻)。
【訓読文】
雑詠八首 礼部李侍郎に上(たてまつ)る。 春鏡
宝鏡凌曙に開き、虚を含みて浄きこと水のごとし。
独り懸かる秦台の上、万象清光の裏。
豈(あに)慮(おもんばか)らんや高鑑偏へにして、但だ流塵に委(す)てらるるを防ぐのみ。
知らず娉(ヘイ)■(テイ)の色、回照して今何にか似たるを。
【注】
○雑詠 特定の題によらず、折に触れて色々な事物・季節などを詠んだ詩歌。
○凌曙 夜明けがた。
○独懸秦台上 秦の始皇帝は四角い鏡で、人の善悪、病気の有無などを照らしたという。
○万象 あらゆる姿形ある物。
○清光 清らかで澄んだ光。
○流塵 空中にただよう塵。
○娉■(テイ) 女性の穏やかで美しいさま。
【訳】
春の鏡。
夜明け開くは増鏡、空を映してきよらかに、澄んだ水かとまがうほど。
秦の宮殿ひっそりと、懸かる鏡はめずらしや、あらゆる物の真実を清き光にうつしだす。
いまは高鑑もちいられ、忘れ去られし増鏡、漂う塵をかろうじて防ぐばかりぞ憐れなる。
ああはかなきは人の世ぞ、かつてみめよき宮女とて、いまは見る影なかるべし。





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Last updated  March 11, 2006 05:33:04 PM
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