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趣味の漢詩と日本文学

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August 11, 2016
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カテゴリ:国漢文
【本文】在中将に、后の宮より菊召しければ、奉りけるついでに、
植ゑし植ゑば 秋なき時や 咲かざらむ 花こそちらめ 根さへ枯れめや
と書いつけて奉りける。

【訳】在中将に対して、后の宮から菊をご所望なさったので、在中将が差し上げたそのついでに、
きちんと植えるなら秋のない時には花が咲かないこともあるだろうか花が散るだろうけれども根っこまで枯れるだろうか、いや、枯れないだろう。ゑし植ゑば秋なき時や咲かざらむ花こそちらめ根さへ枯れめや
と書いつけて奉りける。

【注】
この歌は、『伊勢物語』第五十一段にも見える。
「后の宮(きさいのみや)」=「后」の敬称。天皇の夫人。古くは第一の正妻(皇后)を「大后」といって区別した。のちには、皇后および中宮をいう。また、女御や更衣、ときには皇太后や太皇太后を指すこともあった。ここでは二条の后となった藤原高子。
「召す」=お取り寄せになる。「取り寄す」の尊敬語。
「ついでに」=その折に。
「奉る」=「贈る」「与ふ」の謙譲語。差し上げる。献上する。





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Last updated  August 11, 2016 02:29:08 PM
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