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2009年03月13日
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カテゴリ:小説感想
『あかんべえ』で幽霊ファンタジー(と勝手に命名)でちょっとほのぼのさせてくれ、『理由』で破産の闇を深々と描く。(以上、私が読んだものたち)
普通、ミステリならミステリと、物書きの方ってジャンルが完全に偏ってらっしゃるものかと思っておりましたら、この方そうじゃない。パねぇwww

1992年7月単行本、1998年1月文庫発行。

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者の行方を捜すことに。
自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消した。
―なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?彼女は何者なのか?
謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。


社会派と言われる宮部作品の一つ。
『理由』では、現代社会ならではの不動産業界の闇(こっちは人間性を重視していたから、正直眠くなったぷー)が淡々と描かれていました。
それと同じタッチなのかな、本作もやはり現代社会において起こるべくして起こってしまったカード社会の闇を描いたお話でした。

で、気に入ったラストシーン。

殺人を、正当化してしまいそうになる位美しい結末だと思ってしまったのはどんなトラップ( ̄  ̄!)

とはいえ、犯人と呼ぶべき人に対しての思いいれは強くないし、同情もできないし、共感することもなかった...はずでしたが、ラストでの犯人への思いが、変な気分です。
ハイ、自分でもさっぱり。

クラシックか、壮大なロックが流れ、台詞は何もない映画の美しいワンシーンの様であったし、その人がスポットライト浴びてるように感じる重厚な場面であったと思えたラストは、不思議でならんダッシュ

”犯人”にとっては幸せな結末ではないはずであるが、本編の内容をほったらかしておいても素敵な結末にうっとりしてしまいました(笑)
氏の他作品をそんなに読んでいる方ではありませんが、エンディングに限らず、宮部さんだからこそ、重たいテーマを柔らかい言い回しで描いていたように思えました。



物語に厚みを持たそう(と、宮部氏が画策しているわけではないと思いますが、『理由』が余計な部分多かったもんで...。)としているのか、〔ここいらなくね?〕と、つい思ってしまった部分はありましたが、読んでで勉強になるし、面白かった。

共感に値する所は、自分ももしかしたら陥ってしまってもおかしくないと言える現代社会の罠と言えるところ。

「今日、お店で1000円使ったら、生活費から1000円をカード入金用BOXとやらに入れておく。翌月の金額が確定したら、レシートを確認しながら、引き落とされる分だけ口座に入れる。」
我が家では、こんな感じでクレジットという社会を乗り切っております。
そりゃぁー、たまに入金し忘れて督促来てガチョーンな気持ちになるけども(手数料払うから雫)、カード破産には絶対ならないゾ!と心がけている...つもりです。

だってポイント好きだもんダブルハート

でも、そうやって現金をいちいち触っていたとしても、手持ちが足りないからって置いといて、忘れて...あとで足りない!ということだってある。
20年近く前の作品になるけど、作品読む限りでは私みたいに少しでも抵抗しようというものではなかったんでしょう。そういう意識が薄い時代、とても怖く思う。

単なる”カード”という言葉に騙されて、”借金”という単語が埋もれてしまう。

そんな危険性を知らしめる為、警鐘を鳴らした作品でした。
ほんと、小説というよりも説明文を読んでいるような箇所がいくつもありましたもん。



女の執念がここにある。
男はその真実を解き明かしたい。
現代社会の闇は、幸せを求める人間が作ってもおかしくない。

「火車」:生前に悪事をした亡者を乗せて、火を燃やしながら地獄への道を進む車のこと

詩の様なラストやなと思えば、タイトルでは恐れ戦いてしまうこの対照に唖然とした良作ですきらきらきらきら

    






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最終更新日  2009年03月13日 21時50分19秒
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