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2011年09月03日
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カテゴリ:読書

図書館で借りた本のこと。
刑務所図書館の人びと ハーバードを出て司書になった男の日記 
  アヴィ・スタインバーグ著  金原瑞人・野沢 佳織訳


2007年、100年ぶりに日本の監獄法が改正施行され、「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律」と名称も変わった。
受刑者は、個人で新聞を購読したり、本を購入することもできるようになった。
でも、司書がいる図書室を備えた刑務所はあるんやろか。
ボストンの刑務所の司書を2年近く務めた著者が、そのときの経験を書いたのがこの本。
原題は、「Running the Books: The Adventures of an Accidental Prison Librarian」。
「Running the gauntlet」(ムチ打ちの刑を受ける、 批判を受ける)をもじったタイトルなんかな。
原書の表紙のほうが、ずっとええのになあ。
エルサレムで生まれ、厳格な正統派ユダヤ教徒の家庭に育った著者は、ハーバードを卒業して地元新聞に死亡記事をフリーで書く仕事をしてたんたけど、偶然目にした求人広告に応募し、刑務所で働くことになる。
アメリカでは、刑務所の図書室に法律関係の本をそろえておくことは「法律で義務づけられている」そうや。
正確には、1977年に連邦最高裁が受刑者の裁判所を受ける権利のために、法律図書館の設置もしくは法律専門家による相談助言のいずれかの形態での援助を受刑者に与えることを全米の刑務所当局に命じてる。
著者は、刑務所における図書室の役割って何なんやろうって、自分なりに模索する。
ここの図書室には、受刑者のなかから選ばれた図書係が6人から8人いて、彼(彼女)ら、この仕事をすることで一日2ドルの日当がもらえる。
図書係は受刑者の作業の中で一番楽で、ある程度の教養か、図書室で役に立つ技能を持っている人が働くことのできる「エリートの職場」なんやそうや。
図書室は、大勢の受刑者が行き来する数少ない場所のひとつで、棚が死角になって監視するのがむずかしい。
本は、手紙や禁制品をしのばせ、受け渡す物品の隠し場所にも使われる。
受刑者は一度に3冊まで本を借りることができる。
ハードカバーの本は武器にもなりうると貸出さない刑務所も多いそうやけど、ここでは貸出してる。
予算が少ないので、本の供給源は一般の人たちの寄贈にが多く、著者たちがポケットマネーでガレージセールや古本屋から集めることもある。
本の使い道は無数にあり、
ハードカバーで防弾服を作ったり、本を袋に入れて振り回すことでフレイルを呼ばれるヌンチャクに似た武器になるし、テープで2、3冊束ねて筋トレ用のウエイトにしたり、禁制品の隠し場所、イラストを利用したり、房の壁に物を立てかける支えにもなる。
受刑者に人気のある本は、アメリカの人気司会者オプラ・ウィンフリーが推奨した本やダン・ブラウンの本などベストセラー物、不動産関係や小規模な事業を始めるためのハウツー本、夢解釈、占星術に関する本、実際の犯罪を扱った本など。
図書館に来ることを許されない受刑者のために、本や雑誌、新聞をカートにのせて、司書が訪問することまでやってる。
刑務所内でやりとりされる手紙は「カイト(凧)」と呼ばれてる。
著者は見つけると一応没収するんやけど、それを捨てられずアーカイブを作って保存してる。
そっと残して置く手紙もある。
収監されて間もない男性受刑者が、別の棟にいる妹に、つい最近母親が亡くなったと知らせる手紙など。
ハリケーン・カトリーナの被災者のために、受刑者から募金を集める活動をして2000ドルほど集めるけど、協力してくれてた受刑者が不正をしていたのがわかり、ケチがついてしまう。
受刑者向けの創作クラスまであって、著者はその講師もしてる。
課題を出して、エッセイを書いてもらう。
そのエッセイが、なかなかおもしろい。
著者は刑務所の職員研修にも参加する。
セロテープと漆喰のかけらで作った固いボールや石けんを靴下に入れた武器、コンピューターのファンをナイフに、フロッピーディスクは飛び出しナイフに、ボールペンも凶器に、オレンジの皮を発酵させて「自家製の酒」を作り、その発酵酒で金属を溶かしてナイフを鋳造することまでできると教わり、震え上がる。
受刑者との関係は、どこまで踏み込んでかかわってもいいのかということにあるようや。
シェフになって、自分のテレビ番組を持ちたいと考える受刑者のために、プランを共に考え、必要な資料を揃えてあげる。
大学の経営学部の願書、料理学校の願書、学資援助や奨学金関係の書類、営業許可の取得方法、納税関係の書式、テレビ番組の批評記事、レシピなどなど。
最近ふさぎこんでる図書係の受刑者の誕生日に、こっそりチョコレート・カップケーキをプレゼントしたりもする。
ほかにもいろんなエピソードが登場する。
著者は自分と家族との関係を、考え直すきっかけをもらったりもする。
塀の外で、元受刑者にばったり会うこともある。
でも、一番めんどうなのは、刑務官との人間関係みたいや。
刑務所の図書室を利用して、出所後の人生を変えた有名な人、マルコムXと、ジェイムズ・バルジャーのことにも触れられてる。
マルコムXは黒人解放運動で歴史的な役割を果たすことになり、ジェイムズ・バルジャーは軍事史を研究史、犯罪に磨きをかけるために、図書室を利用した。
500ページ以上もあって、スラングも多いし、ちょっと回りくどくかかれてるとこもあるけど、おもしろかった。
刑務所のなかやからこそ、図書室が必要なんやと思うようになった。
こんな本もあるみたいや。
刑務所図書館 受刑者の更生と社会復帰のために  中根憲一著


原種ハイビスカスのロバツスの開花 5輪(合計320輪)
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最終更新日  2011年09月10日 23時43分23秒
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