岡山ポリフォニーアンサンブル演奏会
師走の迫る晩秋の宵にヘンデルの大曲『メサイア』を聴いて感激した。合唱のバス部門に名を連ねる大学のM脇先輩のお誘いにより、生まれて初めての体験をさせてもらった。大曲というだけあって1番から53番まで全曲を披露すると、途中に15分の休憩を挟んで延々と3時間近くになる。指揮者はもとよりヴァイオリンやヴィオラ、チェロの奏者は片時も休む間なく演奏し続けている。体力が要るだろうなと感心させられた。ドビュシーやフォーレのフランスものにハマって毎夜CDを聴いているが、やはり生演奏に勝るものはないと実感させられた。耳だけでなく五感で伝わってくる音楽からは、演奏者の想いが放たれている気がした。コーラスではかくしゃくとしたM脇先輩のお顔に漲る充実感と迫力に圧倒された。音楽は一流の演奏を聴くに限ると思い込んでいたけれど、本当に音楽を愛する人たちの演奏には、また違った良さがあるものだと知った。師走の合唱と言えば『第九』、昨日の休日の朝には洗濯物を干す家内が鼻歌で第九を歌っていて驚かされた。これはこれで良いものだ。