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カテゴリ:トピックス
1996年に世を去った思想史家・丸山眞男は国際的にも盛名の高かった人であるが、晩年、民主主義の根幹を成す思考方法として「他者感覚」という造語を用い、「相手の身になって考えること」、「相手の真意と、主張の依って来る所以を正しく理解すること」の大切さを説き続けて倦むところなかった。音楽にもとりわけ造詣の深かった人である。
この世には、住む人間の数だけ異なる意見がある。書かれた音符は、読む音楽家の数だけ異なる読み方をされ、<音>として聴き手に伝えられる。そして聴く人の数だけ異なった感銘を生む。芸術と文化には、数理・科学の世界に見られるような「正解」は存在しないのである。(中野雄、『クラシックCDの名盤』まえがきより) 国民の審判により民主党中心の政権への交代が選択された。民主主義にも「正解」が存在しないとすれば、風向きに惑わされることなく、あのオバマ大統領のように対立を超克しようとする指導者の登場が俟たれる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.08.30 20:53:18
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