最初にして最後、最大!親孝行ハワイ9日間の旅
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は思っていた以上におもしかった。 コシノヒロコさんといえば、ジュンコ、ミチコさんらとともに世界的に有名なファッションデザイナー3姉妹。ミニミーも黒いジャケットを一枚持っています。 今回は、「墨襲と色襲(すみのかさねといろのかさね)」をコンセプトに、彼女がデザインしたきものが京都織物商の老舗・誉田屋源兵衛(こんだやげんべえ)さんと、建築家・隅研吾(くまけんご)さんとのコラボレーションによって、展覧空間全体を超ミニマルな苔庭(こけのしとね)として表現したそうです。 展覧会場の画像はこちら。 会場内は薄暗く、ライトが当たったきものが浮き上がっているように見えました。なにやら磯の香りがするので目を凝らしてみると、会場の中心に水苔と灰苔で覆われた畳100帖ほどの変形長方形をしたゆるやかな丘がしつらえてあり、その斜面にきものが広がって展示してありました。さらに、会場奥の突き当りにも天井から床にかけて幅15m傾斜40度ほどの苔のゲレンデが。その傾斜を利用してきものや反物が展示してあります。そうか、この香りは苔の香りだったのか。BGMも穏やかな感じで、なんとなくリラックス。図録に隅さんのコメントがありました。「…庭を作つくり、その苔庭に作品が並ぶ。作品の力と自然の力がぶつかり戦い、そして調和する。生命力の強い苔は、乾燥した状態で山からやってきて、ギャラリー内で庭になり、また山に戻っていく。」 そのほかにも反物を広げて空を浮かせ、飛んでいるように配置したり、会場のロビーを墨の色と合わせて真っ黒に張り替えてみたり。コシノワールドと隅ワールドが相乗して、さらに幻想的な空間を作り出していました。 隅さんは世界的に活躍されていますが、2002年に万里の長城の麓にオープンしたリゾート、「コミューン・バイ・グレート・ウォール」のバンブー・ウォールはとても美しい作品で惚れ惚れしてしまいます。 バンブー・ウォールの画像はこちら。 展示された作品の中で特に目を引いたのが入口にあった三枚襲(さんまいかさね)です。十二単のなごりで明治時代の富家が作った婚礼衣装で、吉兆が重なるようにとの願いがこめられているのだそうです。黒、紅、生成、三枚の振袖にはそれぞれ金泥描で松、墨描で竹、梅がコシノさんによって筆を入れられていました。とてもゴージャス。それだけでもため息がでるほどなのに、さらに驚いたのは黒の振袖が和紙でできているということ。正確には和紙をコヨリ状にして織ったのだそうです。耐水性があるので水洗いも可能で、夏は涼しく冬は温かい、実用的なものなのだとか。100万円ほどで織ってもらえるそうです。これを普段お召しになるのがイナセだと誉田屋さんがおっしゃっていました。会場には常に誉田屋さんがいらして、気さくにおもしろおかしく作品の説明をしてくださいます。 もうひとつ、古くは和紙に銀箔をはって雨に濡れないように天日干しをすること100年以上、古箔帯(こはくおび)も素晴らしかった。天日干しする期間が長くなるほど銀箔の色が、明るい金→金→暗い金→黒に変わっていき、実際にしめている間にも色は徐々に変化するそうです。現在は文化財修復のために見出された古箔テクニックが、短期間で古箔帯を作ることを可能にしました。京都では誉田屋さんだけの技術で、世界中で希少な存在だそうです。 この古箔帯の信じられないような素晴らしさはそれだけじゃなかった。展示してあった帯にコシノさんの墨文字が描かれていたのですが、織りあがってから描いたものではなかったんです。まず一枚60cmほどのできあがった古箔にコシノさんが文字を描いて、それを幅約1mmに裁断します。そしてその裁断した糸を縦糸にして熟練した職人さんが再現するのだそうです。しかも寸分の狂いも許されない作業に違いないのに、その作業は表を小さな鏡に映すだけで裏から見ながら行うと聞いてショックでした。 他にも、イカ墨を使って描かれた帯、と網を使ったデザインの帯、ドレープをたっぷりとったきものドレスなど、どれもはじめて見る新しいきもので、しかも実用性のあるものばかりでした。正直、コシノさんが自由に着られる新しい型にはまらないきものをデザインすると聞いたとき、突拍子もないデザインのきものが多いのではないかと思っていましたが、そんなことはまったくなく、会場と作品が一体化したおもしろい展覧会でした。 寄せられたお花も個性的なアレンジのものが多かった。コシノさんがファッションデザイナーだから皆さん気を遣ったのかもしれません。
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一世一代の親孝行、ビジネスクラスにスイートルーム!接待旅行の企画から旅行記までを詳細にわたってご紹介します。
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