ミミの無い反物?!の水通し その2
自分、洋裁の方は少々しますので、生地の『水通し』に関しましては、自己流(ネットに入れた生地を弱流水でしつこく洗う)であれば、何度か経験済みでは御座いますが、初の和裁と云う事と、糊の効いた和裁用の木綿の反物・・・と云う事で、七緒の木綿の着物号等を参考に、セオリー通りの『水通し』をする事にしたので御座います。今回水通しする反物は、娘の浴衣用の木綿反物でして楽天の着物ショップで2800円で買い求め、石川から届いたモノ。 子供浴衣反物 綿100% 巾37cm 長さ12m(参考上代12000円)オークションでもなく、通常販売なのに、本当に参考上代が12000円だったら、販売価格が2800円と云う事は、有り得ないだろうに^^;・・・と、元値に関しては、眉唾的な感は御座いましたが、木綿の洋服地でさえ、それで浴衣を作ろうと思ったらば、2800円で収まる事は有りませんので、こちらを買い求めたので御座いました。届けられた包みを開いてみると、思いの外、なかなか良さそうな代物^^早速水通し作業に入ったので御座いました。ところがところが・・・・この作業をする事で解った驚愕の事実が! ^^;実はこの反物・・・ミミが無かった御座います!呉服屋さんで買い求めた『反物』なのに、驚きで御座います(T_T)和裁用の反物であるからこそ、布の端の始末が要らないと云われているのに・・・。単なる裁ち切り布であれば、洋裁用の布と全く同じ・・・では御座いませんか(ToT)しかも、今現在流通しているお安めの浴衣反物は、かなりの割合で、そう云う代物だそうでして・・・。えぇ、これは、その反物を販売してらっしゃった呉服屋さんの担当者様が仰った話で御座います。以下、担当の殿方との電話での会話・・・・ 自分: 水通しをしたら、端からホツレ糸がいっぱい出てくるんですけれども、 これは反物なのに、両端はミミになっていないのですか? 担当山本氏:あぁ、あの反物はミミは有りませんよ。 それに、お客さん、水通ししちゃったんですか? あの反物は、水通ししないで縫う反物なんですよ。 自分: えっ?? 木綿の反物なのに水通ししないのですか? 普通は、縮ませるだけ縮ませてから仕立てるのではないのですか? 担当山本氏:水通しと云うのは、 藍染とか色落ちが酷い場合に、色落としの為にするんですよ。 あの反物は、水を通しても、色は落ちしませんから、 水通し要らないんですよ。 自分: へっ? 水通しは、仕立て後の縮みから来る寸法の狂いを防止する為だと 思って居たのですが・・・・。 糊だって付いたままではないのですか? それに、水通ししないで仕立てたとして、 ミミが無いことには変わり無いですから、洗ってしまったら 布端がホツレて来るのは同じだと思うのですが・・・ 担当山本氏:あぁ、だって、着物ってみな、布端は“くける”んですよ。 布端がホツレても表には出てこないから、問題無いんですよ。 糊も付いたままで問題無いですよ。 自分:(仕立てや、着物に関しての知識が、殆んど無い事を悔やみつつ・・・) ミミの無い反物と云う事も、 水通ししないで仕立てろ・・・と云う表記も有りませんでしたが、 そう云う事は、常識なのでしょうか? 担当山本氏:そうですねぇ。高価な絞りの反物ですとか、藍染の反物とかだと 色落としの為に水通しはしますが、大体が仕立てに出すでしょ? あの手の反物(自分が買った価格帯)は、 今は結構出回っていますが、普通は水通しはしないですねぇ。 木綿の水通しは、色移り防止の為にするもので、縮み防止の為ではない・・・・ミミの無い反物を、和裁用の反物として、普通に出している・・・う~~む。どうにもこうにも、腑に落ちないので御座いました。《今回の浴衣反物 水通しの手順》 押入れケースで水通し → 水を張る → 時々手で押し洗い →糊が落ちてきたのか、水に漬けて3時間後あたりから、布端がホツレ始める。 ホツレていくのは縦糸ばかり。これは反物ではなく、単なる裁ち切り布だと気が付く。 また、ホツレ糸を引くと、抵抗無く中途半端な処で途切れてしまい、 布目を通して裁断されたモノでも無い。 手の平一杯の糸が出てきた。当然、布の両端(12m間ずっと)は、横糸がヒラヒラ。 →乾燥中 →生乾きの状態で取り込む→アイロンを掛けて出来上がり実は自分・・・・結構、こう云う作業と申しますか、この手の実験的なモノが好きで御座いまして、反物を水に浸す前に、30センチの長さを測り、それに糸印を付けていたので御座います。 (七緒の一衣舎の方の、水通し作業を読み、 自分も真似てみたかったので御座いました^^;) ちゃんと(変な表現ですが)・・・・縮んでました薄い布地にも関わらず、30センチあたり、6ミリの縮み・・・12メートルの反物は、24センチ縮んだ換算になるので御座います。しかも・・・・反物幅なんぞは、ホツレ糸を抜いた横糸の先から計りましても、37センチが35.5センチまで縮んでおりました。今回は、サイズ的には余裕のある、娘の浴衣でしたから良かったようなものの、裄を一杯一杯に取ろうとしていたら、大変な事になって居た事でしょう。。。。横幅が縮まる・・・と云うのも、初めて知りました。 いや、それよりも・・・木綿の反物の水通しをする目的は、確かに、色移り防止の為も有るとは思いますが、担当の山本氏がいかに“そうじゃない”と仰ろうが、「縮ませるだけ縮ませる為」だと思う今日この頃で御座いました。なにはともあれ、まずは浴衣作り・・・頑張るでごじゃる^^ (んだんだ^^ こんな処でへこたれでちゃ駄目っすね^^ なんとなく、自分で自分を励ましてみました^^)