025353 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

かるかん's 作戦本部

かるかん's 作戦本部

2006年08月12日
XML
カテゴリ:和の道 あれこれ

本日の関東地方の突然の雷雨は、凄かったですね^^;

北の方から突如として、真っ黒な雲があれよあれよと広がってきたのを見て、
これはいかん!と、外に出していた洗濯物を取り込みに、
買い物の途中で戻ってしまいましたです。

マレーシアに居た頃は、
空気の匂いで数時間後の雨が、アメダス並に解ったのですが、
そんな鼻レーダーも、今ではさっぱりで御座いまして、
途中で晴れ間が射すと、全く利かなくなって居りました(T_T)



こんばんは、ご無沙汰しております。
実家から更新の、かるかんで御座います。


お盆休みに合わせて、帰省なさる方も多いかと思いますが、
自分は急遽、
母の具合が、今ひとつ良くない事も有りまして、
一足早めの“実家帰り”を致して居りました。



まぁ、普段通りの帰省であっても、
実家と自宅とは、電車で2時間の距離なので、旅をしたとまではいかず、
また、実家に戻れば戻ったなりに、“お客様”と云う訳には参りませんので、

『お前が来たら遣って貰おうと思って…』と云う繕い物から始まり、
植木の剪定やら庭の手入れやら、
床磨きに、各所の修繕、日々の雑用と、
のんびり夏休みと云う訳にもいかないので御座いますが・・・^^;




そんな合間に、昨晩は、
妹から頼まれた“つげ櫛の手入れ”をして居りました。



櫛元2.jpg 薩摩つげ櫛 上:妹用 荒櫛 5寸 約15cm
         下:自分用 荒櫛 5.5寸 約16.5cm

 このつげ櫛、元々は2年ほど前に、
 母が、髪の長い妹に贈った1本だけだったのですが、

 お酒に関する武勇伝を、多数所持する妹が、
 一昨年の冬、
 飲んだ拍子に、何処に置き忘れてしまいまして、

 八方探しても見付からず、
 母にバレないよう秘密裏に、
 同じ店で買い求めたものでして・・・。



その後、
飲み屋さんから、つげ櫛を取り置いてあると連絡が入り、
新しい方が、自分の処に廻って来たので御座いました。



2本の大きさが微妙に違うのは、
「確か、この位の長さだった気がする」と云う、
彼女の曖昧な記憶の為でして、
同じ模様の櫛のケースは、残念ながら無かったのだそうです。



そんな経緯も有り、
それ以来、2本の“つげ櫛”の手入れは、自分の担当となって居りました。




とは申しましても、
これと云って専門的な手入れではなく、
極々普通の、こんな感じなので御座いますが^^;


櫛汚れ落し.jpg  まずは、櫛に付いた汚れを落とします。

 最初の頃は、
 数十本束ねた木綿糸を、櫛の歯に当て梳き、
 汚れ落としをして居たのですが、

 数本の歯の間に、いっぺんに木綿糸束を通すと、
 思いの外、歯に力が掛かり、折れてしまうような気が致しまして、

 今は、糸とティッシュペーパー、
 それに歯ブラシや楊枝を使って、
 一本ずつ、歯を磨くようにしています。



櫛 椿油塗り.jpg
 あらかた汚れが落ちたらば、今度は、
 椿油を化粧用のコットンで、歯の間を含め全体に薄く塗ります。

 1度目の椿油で汚れを浮かし、
 木肌が油を吸い込む前に、
 浮いた汚れと一緒に、この椿油は拭き取ります。
 
 綺麗に汚れが落ちたらば、2度目の椿油を薄く塗ります。
 あとは、このまま一日ほど置くだけです。

 つげの木肌が、椿油を全て吸い込めば、手入れはお終いです。



櫛 前後.jpg
 上が手入れ前。下が手入れ後の櫛で御座います。

 椿油は、
 買った当初の使い初めでは、たっぷりと塗りますが、
 次からの“手入れ”は、各人のお好み量なのだそうです。
 早く飴色にしたければ、椿油に浸しても良いそうです。

 自分は、つけ過ぎるのが、余り好きではないので、
 木肌が半日位で吸い込める程度しか、塗らないのですが、
 それでも、手入れ毎に、
 つげ櫛の木肌の色が少し濃くなり、艶が出てきます。





何年も使い続けると、次第に良い色になって来ると云う“つげ櫛”。。。。
櫛通り、頭皮への刺激が滑らかな事から、髪ケアに良いとのこと。。。。


確かに、この櫛を使い始めてから、
髪の痛みが少なくなりました。
空気が乾燥する時期に髪を梳いても、
静電気が起こらないからかも知れません。

櫛にうっすらと滲み込んでいる椿油のお陰なのか、
髪の艶も、心なしか出てきたような気も致します。


また、櫛材として用いられている薩摩柘植は、
緻密な上に、固い事で有名でして、
少々乱暴にバックに入れて持ち歩いても、折れるような事は無さそうです。

手入れ次第では、何十年もの間、
歯が欠ける事も磨り減る事も無く、使えそう御座いますよね。


そう考えますと、
コストパフォーマンス的には、
実は、かなりお安く抑えられるのかも知れません^^



とは云え、

いくら固い材質と謳ってはいても、
所詮、“木”で御座いますから、
反ったり割れたりしないよう、水濡れ厳禁で御座いまして、

洗髪後のタオルドライでは使えなかったり、
雨に濡れた髪の整髪には用いれないなど、
多少の不便も在るので御座いますが・・・^^;


また、マメに手入れをすれば問題は無いのかも?知れないのですが、
ムースやスプレーをした髪を梳くのも、
櫛が余分な物を吸い込んでしまいそうで、
気が引けてしまうので御座います・・・^^;

数年前からブームになっている、
髪のケアにも、椿油を使って居る方でしたらば、
そんな心配は、ないので御座いましょうけれどもね^^






ただ・・・・

こんな風に、手入れをしながら使い、

使えば使っただけ…
手を入れれば入れただけ…

美しく経年変化をしていく道具と云うのも、
なかなか、楽しいもので御座いますよね。



全く手入れをしなかったらば、、
反ったり、ヒビが入ってしまうのかは解りませんが、

道具の調子を見ながら、自分の使いやすいよう手を入れていく・・・・

そう云う事が、『道具を育てる』と云う事なので御座いましょうか。



高価な道具、廉価道具・・・
そんな道具価格の高低に関わらず、

気に入った物を、
ゆっくりじっくり育ててみると云うのは、
その“まどろっこしさ”も含め、
案外、楽しいものなのかも知れませんよね^^



そんな事を考えながら、手入れの済んだ“つげ櫛”で
髪を梳いて居りました、今宵のかるかんで御座いました。








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年08月13日 00時46分58秒
コメント(5) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

カレンダー

日記/記事の投稿

コメント新着

banbi0311@ お久しぶりです^^ つげ櫛は椿油でお手入れするんですね。。…
senamama@ Re:道具を育てる  “薩摩つげ櫛”(08/12) いいお話を聞かせてもらいました。 私も…
keiko75s@ Re:道具を育てる  “薩摩つげ櫛”(08/12) つげ櫛、持っていたはずなのですが・・・…
エアロまま@ Re:道具を育てる  “薩摩つげ櫛”(08/12) しばらく 日記を更新なさっていなかった…
パフィ1327@ Re:道具を育てる  “薩摩つげ櫛”(08/12) ご実家へお帰りなんですね・・・ お母様…

カテゴリ

バックナンバー

2024年05月
2024年04月
2024年03月
2024年02月
2024年01月
2023年12月
2023年11月
2023年10月

© Rakuten Group, Inc.