カテゴリ:GSR250
先日のことだが、さすがにあまりにも乗らないままではイカンという事で、朝ドラで賑わっているであろう信楽にでもプチツーしようと思って出かけたのだった。
だが、思ったよりも寒かったのと(寒さをなめて、フリースベスト、ウインドブレーカー、メッシュジャケットの装備で撃沈した)、バイクに若干の不調があったのでちょっとびびって瀬田の洗堰で引き返してきてしまった。 歳を取ると思い切りがなくなってしまってイカンね。 その不調がキースイッチの接触不良だ。 実は少し前から症状は出ていたのだが、あまりにも放置しすぎたせいだろう、ちょっと乗ってやったら直るのでは、と軽く考えていたのだ。 だが、先のツーリングでコンビニやチョイ休憩で止まるたんびに症状が出るので、こりゃ本格的に駄目だなと認識。 具体的には、 ●キーオンしてもパネルが点灯しない。 ●パネルが点灯してもハイビームランプが消灯せず、エンジン始動できずFIランプが点滅。 ここまでは、キーをオンにしても燃料ポンプが動いていない。 ●とどめに、エンジン始動してもクラッチを離すとエンジンが止まることが一度だけあった。 こんな感じである。 何度かキーオンを繰り返すと始動出来るのでこのまま乗れないことはないが、当然のことながら始動できなくなる可能性も十分あるので、やはり何らかの対策が必要だ。 確実なのはキースイッチを交換することだが、1万円弱の値段らしいし、対策品が出るわけではないようなので、2年ほどで同じ症状になるという話もある。 これではなぁ、交換は躊躇してしまう。 ということで分解清掃することにする。 ネットで調べてみると分解清掃を行っている先人がおられて、接点清掃にグリス処理で症状は治まっているとのこと。これは心強い。 キースイッチはトップブリッジにねじ止めされていて、どうやら簡単に外せない「ポッキンボルト」で取り付けられているらしい。自分のバイクで確認するとトルクスっぽいネジ頭が見えるのだが、場所が狭くて良く分からない。 知り合いのバイク屋さんに聞いてみると、キースイッチ交換の作業工数は0.5hとのこと。 「そんなに大変じゃ無さそうやけど?みすたけ君なら簡単やろ!」ということなので、作業に取り掛かることにした。 スクリーンから外さなアカンのやな・・・。 カバーを外すにはプラスねじを二本外す。 ここと、反対側の二本。 引っぺがす感じに外す。白いプラの爪がはまっている。結構固いが自分は外すのが二回目なのでちょっと軟らかくなっとるなぁ。 メーターパネルを外す。ネジ二本(ヘックスネジ)を外して、カプラーも外しておく。 下の方、黒い部分がツメというかゴムの穴にはまり込んでいる部分が二か所あるので、上にヨイショと引き抜く感じで外す。 ヘックスネジ二本を外すとヘッドライトユニットが前方に倒れてくる。落っこちないように気を付けよう。ヘッドライトバルブとスモールのカプラを外してユニットを外す。 キースイッチにアクセスできるようになったので、下から止められているネジを外せるかやってみたのだが、どうもトルクスが全く噛んでくれない。少し色々と試したが、こりゃ無理のようだ。 観念してトップブリッジを外すことにする。 まあしかし、よく考えたらネイキッドみたいなもんだから作業は簡単だ。 ハンドルを外す。 センターのナットを外す。 30mmの袋ナットだ。ソケットを使ってゆるめる。 ここまで大きいナットだと1/2のレンチでないと厳しい。 モンキーでも外せないことはないと思うが、傷がつきそうだし締めるときのトルク加減がわからないだろうからやめた方がいいだろう。 外れました。 ここまで5分もかからないくらい。 ここからが問題だ。 接点は裏ぶたを外せばアクセスできるので、この状態にしたらキー自体をトップブリッジから外す必要はない。 ちなみにポッキンネジは当たり前だが凸状だった。自分は凹状だと思ってトルクスビットで外そうとしていたのでビットが噛むわけが無かったわけだ。 かと言ってトルクスのソケットでも凸部のでっぱりは非常に少ないので外せたかどうかは疑問だなぁ。 さてさて、問題はそこではなく裏ぶたのネジである。 コイツだ。 ワンサイドなべネジである。 閉めるときはマイナスドライバーで簡単に締められるが緩めることは出来ない。 うーん、ドリルでもんで頭を飛ばすしかないのかなぁ。 ちょっとドリルを当てて軽い凹を作ってみたり、ショックドライバーを試してみたりするが、今一つ決め手に欠ける。あまりキツイ打撃を使いたくないからなぁ。 とりあえず、ネジ頭を潰してしまった時の小技を試してみる。 ホントはポンチを使うのだが、場所が狭いので適当に見繕った精密ドライバーでネジの端っこを緩む方向にコツンコツンと叩いていく(もちろんハンマーで叩くよ)。 すると意外なことにすぐに緩んできた。 5分ほどで二つともネジが外れた。 マイナスドライバーで閉めているネジだからそれほどトルクがかかっていないのだな。 一番大変だろうと考えていた部分があっさりとクリアできたのでちょっと拍子抜け。 まあでも、ラッキーだった。 接点部分が出た。 部分的にいかにも接触不良な部分が見受けられる。 ウチのGSRは走行も少ないので摩耗しているようなところはない。 湿気で酸化被膜が出来てしまっているようだ。 先人様にならって、接点磨きと接点グリスをヨドバシで購入しておいた。 これらを使って接点を復活させる。 綿棒を使って丁寧に磨いてグリスを塗布する。 一部分だけ汚れがひどい部分はコンパウンドで磨いた。 Sunhayato/サンハヤト ECB-L50 接点ブライト [87023] 接点グリス (JAN:4950344870233) 磨いた状態。 このあとグリスを塗布した。 止めるネジは普通のプラスねじに交換しておく。 完了。 この後、外した部品を元通りに組み付けて作業完了。 キーオン確認してみると、今までは一回目は必ずパネルが不点灯だったが、気持ちよくパッと点灯するようになった。 何度か確認したが、全て完璧に点灯。 エンジンも始動させたが全く問題なしだった。 とりあえずしばらくはこれで問題ないものと思われる。 自分はカバーをかけて停めているので、雨の後などは相当湿気がこもっているはずだ。そのため、こういう症状が起きやすいのだと思うが、もう少しなんとか対策できないものか。 今までのバイクもそうやって乗ってきたが、こんな症状は一度も起きたことが無い。 外国で製造しているものだから、各部品の品質も落ちているのだろうか?使っているグリスの品質が悪いのかもしれないなぁ。 追記・令和3年11月20日 キースイッチのネジのサイズの質問がありましたので追加しておきます。 写真のサイズのネジになります。 右側2本は元のネジ、ワンサイドなべネジです。 Ⅿ4のピッチ0.7だと思います。 長さは10mmですかね。 左側はウチにある普通のネジの同サイズのモノ。 リングワッシャーかワッシャーがあったほうがいいと思います。 ちなみに、現状キースイッチは絶好調です。 あまり乗れていないのでカバーかけっぱなしのままですが、エンジンは一発でかかります。 ご参考までに。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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はじめまして。自分のGSR250も持病発症してしまいました^^;
知りたかった情報満載でホントに助かります。今はエラーが出たらハンドルを左右いっぱいにきってからオンにしたりキーを入れ直したりすればかかる段階ですが、悪化してきたらチャレンジしてみます。 (January 19, 2020 06:07:59 PM)
ヒロトさんへ
こんばんは。 コメントありがとうございます。 この作業をしてからは、全く症状は出ていません。ほぼ、完治したと考えています。 作業に関しては、整備の経験次第ではハードルが高いと思われるかもしれません。何といっても、トップブリッジを外す必要がありますので。 それ以外は出来るだけ細かく作業内容を書いたつもりですので、参考にしていただければなんとかなると思います。 ツーリング先でドキドキするのも心臓に悪いですからね。 まだまだ寒い日が続きますが、快適なバイクライフを楽しんでください。 それでは! (January 22, 2020 08:44:32 PM)
みすたけさんこんにちは
ダウンサス ご回答ありがとうございます 了解しました。 当方のGSRも昨日同様な症状が出ました その後300キロ程走行し数回恐る恐る休憩しましたが今のところ全く異常なしです。 ブログ参考になります 今後ともよろしくお願いします。 (September 16, 2020 12:55:18 PM)
おときちですさんへ
ダウンサスの件、お力になれず申し訳ありません。 キースイッチの症状発生とのことですが、気になりますよね。 あくまでも私見ですが、キースイッチの作業はダウンサス改造よりもずっと楽な作業です。トップブリッジの脱着は素人が手を出す部分ではないと思いますが、経験者の助けがあればどうということはないものです。 僕の記事が何かの参考になればうれしいです。 快適なバイクライフの一助になれば幸いです。 では。 (September 17, 2020 11:45:14 PM)
チギレさん、こんばんは。
記事が参考になったようで、良かったです。 多走行による接点摩耗でなければ、ほぼ完治するのではないかと思います。 僕は現状、月に数回しか乗っていませんが、症状が出ることはないです。 自分で作業してマシンが調子良くなってくれると、より愛着もわきますからね! (October 2, 2020 12:23:54 AM)
おはようございます!みすたけ99さん!
おっしゃる通りで愛着マシマシです! FI点灯、エンスト、等の症状は今のところ出ていません。 ですが、トップブリッジの差し込みが浅い状態で取り付けた為に、段差通過時にガタつきやり直す羽目になりました。 我ながら爪が甘々です。。。 今後はフロントのスプロケを14から15に変えて高速走行でのエンジンの唸りを抑えようと考えてます。 (October 4, 2020 09:29:42 AM)
初めまして。当方GSR250も同様の症状が発生したため、記事を参考にさせていただき作業させていただこうかと思います。
尚、ねじをプラスねじに交換したとのことですが、もし覚えておられましたら、ねじのサイズをご教示いただければと思います。 (November 16, 2021 11:48:07 AM)
ルディナさん、こんばんは。
返事が遅くなり申し訳ありません。 ネジのサイズなんですが、使用したネジは手持ちの余りネジの中から使えそうなものを見繕ったものなので、サイズを測って購入したわけではなく、具体的なネジピッチなどはちょっとわからないです。スイマセン。 時間があれば、元のネジを探して(多分どこかに片づけているはず・・)測ってみます。 (November 19, 2021 12:46:11 AM)
ルディナさんへ
ネジのサイズを記事本文に追加しておきました。 Ⅿ4のピッチ0.7です。 長さは10mmだと思います。 以上、参考になれば・・・ (November 20, 2021 10:58:04 AM)
ご回答、誠にありがとうございました。
やはりワンサイドなべネジを外すところで苦戦しましたが、大きめのマイナスドライバーと腕力で解決、ついでに細部をお掃除して無事作業完了しました。 帰りに大雨に降られ、何度か雨宿りで停車しましたがキースイッチは絶好調でした。(お掃除すると雨が降るのはナゼ?) またブログを参考にさせていただきと思います。でわ! (November 22, 2021 03:21:11 PM)
大変参考になりました。自分はキーシリンダーをまるごと交換するつもりです。シリンダー固定ボルトは凸型のトルクスボルトですね。これを外すのが難儀ですが、サイズわかりますか?トルクスソケット買いたいのですが、どれが合うのかわかりません。
(October 23, 2023 08:48:18 PM)
よじまるさんへ
しばらくブログを放置しておりまして、大変申し訳ないです。 シリンダーの固定ネジですが、説明が足りませんでしたね。 このネジは盗難防止目的だと思いますが、外すときはネジをドリルなどで頭を飛ばさないと外せないボルトだと思います。 自分の仕事していたところでは「ポッキンボルト」と呼んでました。 締め込んでいくとボルトの頭が折れて、簡単に外せないようになる特殊ボルトです。車でもキーシリンダーは大概このボルトで取り付けされています。キーシリンダーを購入するとこのボルトが付いてくるはずです。 (January 13, 2024 03:31:44 PM) |
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