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カテゴリ:活字主体の本
■トーキョー・プリズン。終戦後ここはA級・B・C級の戦犯が入っていた。 元ニュージーランド兵士エドワード・フェアフィールドは 探偵事務所の共同経営者のいとこの消息を求めて日本へ。 拘置所内で捜索するかわりにある男の記憶を取り戻す仕事を依頼される。 物語は密室殺人のトリック解明と虐待事件の真相究明を中心に進むのですが、 戦後の日本の混迷ぶりとその国民性に占領軍が困惑しているさまが描かれます。 話がちょいと複雑でして、フェアフィールドはいとこの行方を捜しています。 そのために拘置所での調査を願い出るのですが、 そのかわりにキジマという男の相手をさせられます。 そのキジマは記憶喪失で問題行動のある囚人ではあるが恐ろしくアタマが切れる。 拘置所内で起こった密室殺人を解決するのに利用したい。 キジマは記憶を取り戻したい。フェアフィールドはその手伝いもする。 ただしキジマは捕虜の虐待と殺人という容疑を背負っていて、 記憶が戻れば死刑は免れない。 国民性の違いとか、戦勝国と敗戦国の違いとか、人間の残虐性とか そういう部分に対しキジマがズバズバと既成概念を壊す発言をするさまが 説得力がありまた小気味よくもある。 でも、最後のいわゆる謎解きの部分が推測や夢の解釈などに頼っていてシャキっとしない。 面白く読めたけど、釈然としないものが残る作品でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.02.23 23:39:33
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