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カテゴリ:身体論の本
今日注文していた「弓と禅」(ヘリゲル著)が届いた。
戦前、ドイツの哲学者が、来日中6年間にわたって弓道を学んだ軌跡が書かれている。 これはすごい書物だ、とひきこまれて食後ざっと目を通してしまった。そんな本は久しぶりだ。 圧巻は最後のつまずきの時のヘリゲルと師範のやりとり。弓道をスポーツの一種と考えて取り組みはじめたヘリゲルは、次第に大きな壁にぶつかる。「うまく射ようとするのは曲芸の類と同じである、的を狙わず、射ようとせず射ること。弓は精神である。」と師範に言われるが何ヶ月もそれは不可能という感じで少しも前進しない。 そんな中、ある日師範が困惑しきったヘリゲルのためにまっくらな中で二本の矢を射て見せる。それは的の中心に当たっただけではなく、二本目の矢が一本目にあたりそれを切り裂いていた・・・。 西洋が東洋の「道」に迫ろうとする思想的な部分は難しいですが、そのストーリーは映画のごとく鮮やかに起伏に満ちています。 また、漠然と身近にあるつもりの華道、柔道、剣道、書道、エトセトラの「道」の本質を、また、「禅」をあらためて捉えなおさせてくれる名著です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年11月12日 23時35分49秒
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