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カテゴリ:時代を眺める
20世紀初頭から50年代にかけて、さまざまな人が活躍します。
その中で、著者が大きく紙面を割いているのが、当時の人々の神秘主義やユートピアへの強い関心です。 「『モダンデザイン全史』 海野弘著 美術出版社」 著者の分析によれば、機能主義、合理主義、抽象表現を生んだ大きな要素が神秘主義等だからです。 陶器や工芸といったばらばらな要素で考えていたのが今まで。 それに対し、「デザイン」は形一般を抽象的に考える。 それには、形や色の理論化=抽象化、物からの分離が必要。 例えば、合理主義の代表とも思われるガラス。 『材質として、ガラスは建築における新しい精神の、最も集中した、輝かしいシンボルであった。』 ガラスのイメージを抽象的に取り出すことで、器や家具といった分野からのアプローチが変わります。 ガラスをイメージとしてとらえて、いろいろな家具~建築にまで当てはめて考えることができます。 赤、青、黄色と白、黒、直線のみを使った絵画を描いた抽象画家の巨匠のモンドリアン。彼は建築にまで大きな影響を与えたひとでした。 『モンドリアンは、芸術をユートピアへのガイドと見ており、ユートピアに達した時、芸術の使命は終わると考えた。』 バウハウス、キュビズム、表現主義、デ・スティル、オメガ工房、アメリカのモダンデザイン、ロシア・アバンギャルド等、さまざまな美術運動が、どのように20世紀初頭からの数十年間、それぞれの理想のおったのかが書かれています。 また、この時代には、人的交流の広さがさまざまな運動に影響を与えていたことを著者は述べています。 『コロニスト(装飾美術家)とキュビスト(画家・彫刻家)の間には、親しい関係があった。彼らは互いに友人だったのである。たとえば、アンドレ・マールはレジェと同郷で、幼な友達であった。マールはパリに出てくるとレジェのそばに住み、1904年から6年にかけて共同のアトリエを使っていた。・・・・(略)このようにデザイナーと画家の間には豊かなネットワークがあった。・・・(略)そのような交流の場は、さらに広がった。・・・(略)キュビストたちは作家や音楽家、そしてコロニストのデザイナーとつきあっている。』 100年ほど前、たくさんのひとがたくさんの夢を抱いていた。 その延長線に、私たちの生活が生まれている。 そんなことをちょっと考えるのも、たまにはいいかもしれません。 さて、一週間、以上前の日記からたってしまいました。 もっとがんばってかきます(汗・・・)。 最後までお読みいただいてありがとうございました。 次の日記でモダンデザインの始まりをかいて、モダンデザイン全史を終わりにしたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年06月18日 14時33分04秒
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