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カテゴリ:M氏の像 相模原個展へむけて
「去年は合唱団が大人気だった。小さなことだけど、お互いの国のひとが仲良くなること。それが平和の第一歩だと思うからね」
とM氏はいう。 M氏はここ数年、友人知人を誘い、毎年ロシアで国際交流を行っている。 はじめは戦友の墓参まいりであった。今は合唱に、展覧会。文化交流が加わるようになった。 年齢構成も多彩な交流になっている。 先日、今年の交流帰国後、見せていただいた写真の一枚をさして M氏はいった。 「俺がほった橋脚の土台はこのあたりなんだ」 やぁ、このあたりだったんだなぁ、と思ってね」 美しい緑のなか、列車のための橋がかかっている写真だった。 その写真をみてM氏は当時を回想しているようだった。 当時の作業の後、ロシアで今では第二シベリア鉄道として使用されている。 自叙伝には、冬眠中のカエルをみて自らを励ましたことがかいてある。 小さなことから「希望の種」を自分で見つける。 『気温がぐんぐん低下して川面の氷が厚くなり、食糧運搬のトラックでさえ 平気で氷上を渡って来れるようになった。 (略) 厚く凍った川床を深く掘り、生の木を櫓(ろ)に組んで氷穴に埋めて橋脚を 固定する作業は、このときをおいて、ほかにはできないのである。 まず、岸辺から穴掘りが始まった。 鶴嘴(つるはし)も通らない硬さなのである。 (略) とき折り、その地層の中に、冬眠中の蛙(かえる)が石のように固まった姿を発見し、 「日に日に衰えてゆくわが身」にむかって「こんなに凍った蛙でさえ来春になれば、 再び元気な顔で出てくるのだぞ、元気をだせ!」と自分に向かっていい聞かせたものである。』 (「野ばらの実に」より お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年10月28日 09時24分31秒
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