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身体・感覚とアート

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2006年10月19日
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カテゴリ:捕虜体験記より
「朝まだ暗いうちはカエルの動作は鈍い。これを一網打尽にし、皮をはいで料理するとのこと。

シベリアホウレンソウと名付けた野草をあしらったスープ。その中のカエルはカシワ(鶏肉:引用者による解説)に似てオツなものだった。

 私は須藤氏のおかげで入ソ初期の刺々しい、利己的、懐疑的、惰性的な波の渦巻く生活から離れ、人間らしさを保ちつつ、毎日を明るく過ごすことができるようになった。

目の不自由さにもやがて慣れ、気力と体力を回復し、再起することができるようになった。

今日の私があるのもラザレート(馬の病院)での須藤候補生との出会いがあったればこそと、事あるごとに思い出し感謝している。

私は彼よりやや遅く帰国した。

記憶に残る彼の住所(岩手県)を調べたが音信がなかった。

その後ふとした手がかりで、北海道にいて遠藤姓になっていることを知った。昭和五十二年二月、石頭会北海道支部が結成され、同期生諸氏の尽力により、念願の彼との再会を果たした。

二十七年ぶりのことだった。

士幌にあった彼の家での一夜は楽しかった。

「おれのところに来た時の汚いかっこう。どこの流れ者かと思ったが、石頭だったなぁ。

弱々しくて、やる気がなくて、世話がやけたぞ。でも、チームのまとまりがよくて楽しかったよ。」

素朴な口調で語る思い出話に、君あればこそと。瞼(まぶた)にあふれるものをとどめることができなかった。」

引用:捕虜体験記4  P151~154 山下定氏回想 ソ連における日本人捕虜の生活体験を記録する会編集・発行 





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最終更新日  2006年10月19日 08時06分24秒
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