172349 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

身体・感覚とアート

身体・感覚とアート

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

ゆぱさん

ゆぱさん

カテゴリ

カレンダー

2006年10月23日
XML

カテゴリ:捕虜体験記より
「……厳しい寒気に閉ざされて、このようなわずかな給与での重労働では、だれもが上野苦しみに耐えられず、その心はしだいに荒(すさ)んでいった。

盗みと暴行は日常茶飯事のように発生した。

/こんな状況のもとで、不幸にも栄養失調で死亡した者とか、伐採で不慮死する者があると、埋葬の前夜、穴小屋のなかで一同は形ばかりの簡単な祭壇を設け、仏様を横臥(おうが)させて成仏を祈り、一時間ばかりお通夜をして寝る。

ところが、一夜明けて、わたしはその祭壇を見て驚いた。

仏様の着ていた被服はすっかりはぎ取られ、仏様は丸裸で転がっていたのである。

被服を盗んだ者は防寒外套(がいとう)の下にそれを忍ばせて、作業場付近のソ連民間人と、黒パンや食料と交換して空腹を満たしていたらしい。

このようなことが頻繁に起きると同時に連鎖反応で、仏様ばかりでなく、睡眠中に被服を盗まれるということまで発生するようになった。

そので一同は、寝る前に盗まれないように持ち物をすべて身にまとい、自己を守らなければならなかった。

こうなるとお互いが疑心暗鬼で、二か月前と比べまさに末世的様相になり果てた。」

引用:捕虜体験記 1 堤 喜三郎氏 P203 ソ連における日本人捕虜の生活を記録する会 編集・発行





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年10月23日 09時39分01秒
コメント(0) | コメントを書く
[捕虜体験記より] カテゴリの最新記事


キーワードサーチ

▼キーワード検索

お気に入りブログ

Life style shop SAK… ゆすらうめマスターさん
ゴーヤ泡盛の野毛日記 ゴーヤ泡盛さん
リスクのクスリ 気世良世羅(ケセラセラ)さん
映画観覚 眺 望さん
銀座のアート日記 JAMアートさん

コメント新着

はんじょう@ Re:ご案内:大切なものを大切にするあなたへ~5月門間由佳ミニ個展 ご無沙汰しております。今回は包丁くん持…
ゆぱさん@ Re[1]:時間感覚がおかしくて当たり前(04/02) はんじょうさん 感情は行動の原動力なの…
はんじょう@ Re:時間感覚がおかしくて当たり前 そうですね、先ずは基本ロジックの再編、…

© Rakuten Group, Inc.